マンツーマン ページ26
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『はいここで問題。これはなんと読むでしょう。』
「は？知らね」
『はぁ？先生出るって言ってた』
「先生の言葉が絶対とは限んねぇよ？」
『うるさいなぁ。』
金曜日の放課後。
私は優太に先日教えて欲しいと言われた国語全般を教えていた。
教えることなんてあるのだろうかと思っていたが優太の出来なささ具合は酷かった。
永瀬とは特に何も進展がなかった。
進展、と言うと何かを期待しているように思われるだろうが決してそんなことは無い。
"俺の誕生日覚えてたん"
"授業中寝んなやー"
"A化学苦手やん"
"毎年お母さんが騒いでるからね"
"眠気に勝つ人いないって"
"あれだけだから平気"
"お前は騒いどらんの"
"俺"
"他なんか分からんとこあったら言ってや、教える"
今週のやり取りはここで終わっていた。
分からないところって言われてもないんだよなあ…この前教えてくれて全部わかった、と思う。
「わーっかったこいつ！！なんちゃら物語のやつだ！！」
『…紫式部の事言ってる？』
「え！あってる！？」
『…うーん、残念。清少納言』
「っだー！誰だよ！」
『えぇ…』
「俺は紫式部が好きなの！」
『じゃあ過去に遡って告白しにいきなよ』
「来世から来ました。好きですって？」
『んー、うん、いいよ。いいと思う。』
「え、冷めた目で見ないでくんね？」
あってる！？と目を輝かせながら聞いてくるもんだから清少納言の名を出すのは少し心が痛んだ。
しかしこの馬鹿のためだ。優しさなんていらない。
はいやるー、と教科書を押し付ければあからさまに嫌な顔をした。
「俺勉強嫌いだわ」
『私も』
「…なんでA頭いいの？」
『しーらない。』
「頭良くないって否定しろよ！！」
『して欲しいなら言ってよ。』
「え、あれ頼むやつなの？」
『しらなーい』
「お前俺と話す気ある？」
『ない。やって。』
えーー、と言いながらシャーペンを弄る彼にはもうやる気の一欠片もなさそうだった。
ため息をつきどうしたものかと考える。
優太は単純だ。いい案を思いつきー人にやける。
「…ん？どした？思い出し笑い？」
『優太さ、私と水族館行きたいとか言ってたよね』
「お、おう、断られたけど。」
『行こっか』
「え？？」
『優太が中間で真ん中の順位になったらね』
「…まじ？？」
『私の奢り、でね？』
優太の顔が一気に明るくなったのを見て
よし、釣れた。と思った。
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます！読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (
レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます！！！！！！一生のお願い！笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます！afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです！ (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます！最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです！楽しみにしています！！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚木 | 作成日時：2019年10月16日 22時
