文系？理系？オールマイティ？ ページ18
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「あ、いや…なんもない」
異様な空気を悟ったのか初めに声を出した永瀬がぎこちなくそう言った。
「なんだよ廉、めっちゃ変な空気だったぞ今」
「優太のせいやわぁ」
「あはは！岸くんのせい！」
永瀬は優太からカフェラテを受け取り誤魔化すように口に流し込んだ。ほんとになんだったんだろう。
「あ、そうだA」
優太がカウンターからぐい、と顔を出してきたので何事かと眉を顰める。基本優太に熱が入る時は空回りするので常に行動を共にしてるこちらも警戒しなければならない。
「国語教えてくんね！？」
『あ、なんだ…それだけ？』
「いやいや大事。めっちゃ大事」
『現文？古文？』
「両方！」
「え、A国語得意だったっけ？」
『私両方クラス1位取ったよ』
右隣で驚いたように声を上げた海ちゃんに涼しくそう返せば「この当たり前っしょ？って感じウザくね？」と優太が言ったので私の方に乗り出したままの頭を思いっきりチョップした。
いってぇ！！と頭を抑える優太を冷めた目で見ていると左から視線を感じそちらを向く。
「…A文系なん？」
『うん』
「じゃあ俺も文系にしよっかな」
『いや、典型的なだめなやつじゃん』
「俺オールマイティやし」
『んな事言われても…好きにしなよ』
「うん、好きにする」
満面の笑みの永瀬から顔を逸らす。
優太がめちゃくちゃ嬉しそうにこちらを見ているのがわかったが気付かないふりをしよう。だるいし。
「え、なに！？お前らやっぱ仲直りしたの！？」
「え！したの？」
「まだまだ全然まだ。A全く心開いとらんのヒシヒシ伝わるで」
『それ私の前で言う？』
「だって、ちゃんと言っとかないとAずっとそのまんまやろ？嫌やもんそんなん」
「Aすごい！ちょー愛されてるよ！」
海ちゃんの言葉にうんうん！やべぇやべぇ！と応えている優太にカップを押し付けて席を立つ。
『優太奢りありがとう。明日ね』
早足で店を出ようとした時後ろから3人の素っ頓狂な声が聞こえて思わず笑ってしまった。
まだ帰りたくはないがテストも近い事だし黄昏ている暇はないのだ。
「えっ、Aばいばーい！！」
「じゃーなー」
『うん、ばいばい』
取り残された彼はきっと
「はっ？ちょ、待て！俺奢んねぇよ！絶対奢んねぇよ！？！？」
こう叫んでいる。
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます！読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (
レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます！！！！！！一生のお願い！笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます！afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです！ (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます！最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです！楽しみにしています！！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚木 | 作成日時：2019年10月16日 22時
