94 茜side ページ48
百瀬さんは今空き教室で休んでて、清水さんが見ててくれてる。
監督達にはちょっとしたトラブルですので自分達で解決します、と信介が伝えてくれた。
なんでそんなしっかりしてんの、俺の従兄弟のくせに。
なんて思って横でビブスを干すのを手伝ってくれてる彼を見る。
北「？…おい、サボるなよ」
『う、ん。一人でやるから良いのに』
大丈夫か、とかは一切聞いてこない信介が好きだ。
さっきはありがとう、とうまく言葉に出来ない自分も大概だけど。
北「お前、絶対一人でふらふらすんなよ」
『えっ…なんで？』
北「なんでて、……アホか」
アホってなんだよ…！ってビブスでべしべし背中を叩くと、眉間に皺を寄せてまた「ドアホ」と吐き捨てられた。
ふん。シツレイなやつめ。
せめてもの反抗に、べっと舌を出す。
信介は何も言わなかった。
『……』
こんなふざけたことしてるけど、実は精神的にキツい。とても……いや、かなりキツい。
そろそろつとむとか補給しないと心に穴が開いて消えてしまいそうだ。
すぐ泣いたら嫌われるから我慢したけど、気づかれてないかな。
…もう嫌われてるか。梟谷の人達にドリンク配るときめっちゃ睨まれたし。
気のせいかもだけど。
この人は違う、ってわかってても、すべての人が陰で俺をメイワクだと思っているように感じる。
皆にとっては、貴重な合同合宿なのに。
ただバレーを楽しむために集まっただけなのに。
…なにがいけなかったんだろう。
あ。…俺がバレーを、またやりたいなんて思ったから。
マネージャーになるなんて言ったから。
…そこから違ったんだ。
北「…おい、何しょーもないこと考えとんねん」
『…ちょお、トイレ行ってくるわ』
おい、と呼び止められたが、無視して全力疾走。
窓から隣の棟の窓に飛び移った。
向かった先は、
百瀬さんのいる部屋。
清水「……」
清水さんが空になったペットボトルを持って部屋から出てくる。
気まずそうな顔をされた。
ごめんなさい、すぐ消えるから。
百瀬さんに退部すると伝えて、
…それで終わりです。だから入れてください。
清水「…のどかちゃん、茜が………うん、そう。……………入って」
清水さんは俺を部屋に入れたあと、走ってどこかへ行ってしまった。
今は、
百瀬「茜A…」
＿二人きりだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1054人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蟹江(プロフ) - 素敵帽子さん» 笑ってもらえてうれしいです(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2020年9月2日 18時) (
レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
素敵帽子 - 正論パンチ増量サービス★てｗｗｗ (2020年9月2日 14時) (レス) id: 81daf2c1b6 (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - しゅがー。さん» 一ヶ月で…つき、の、ひかり…？？？なんか高度な曲であることは分かった…！一応奏者の父に聞いたら「へえ( ﾟДﾟ)すごいね」ですって(笑)私は今はやってませんけどそういう話を聞くの好きです！また教えて下さいね(^^) (2020年7月21日 19時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー。(プロフ) - フルートやってるんですね！初めて一ヶ月ですが月の光やってます！high high Gまで頑張りましたが半音階足りない… (2020年7月20日 21時) (レス) id: 90a33f4857 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - どうぞ調子に乗ってください！ (2020年7月12日 12時) (レス) id: 1ca0293e4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蟹江 | 作成日時：2020年6月3日 20時
