【HQ】俺らのマネが悪女のターゲットにされたので全力で潰す。【男主】

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3限目は英語だった。



俺は英語が(というか勉強全般が)嫌いだ。
教科担任の女がまずウゼぇ。発音に厳しいから、当てられて1発で合格貰った奴ァなかなかいない。


でも今日は俺は当たらない自信がある。理由はこの前当たったばかりだから。


当たるとしたら…そうだな、ちょうどAの列＿



…A！！！





貴「…zzz………」





なんてこった、寝てやがる。くそう、穏やかな寝顔だ。眩しいぜ()…おっと、キャラを守らなければ。


周りを見れば、Aの寝顔を心のフォルダに永久保存すべく皆がこちらを向いている。

そうすると必然的に、教師の視線もAへ行き…




「茜くん起きなさいッ！」




貴「…ん…………わっ…！？」





おっし寝起き顔…じゃねえ。しまった、バレる前に起こせば良かった。



目をしぱしぱさせて教師の怒声を浴びるAに、俺ら5組は心の中で手を合わせた。





貴「すみません、気を付けます…」





すごく反省しているような声だが、いや、実際そうなのだろう。ちらっと見えた横顔は無表情。
優しいAはそんなこと思わねえって知ってても、言いたい。言わせてくれ。
「よくしゃべる豚だなぁ」
って思ってるようにしか見えねえ、その顔。



案の定キレた教師がAの方にずかずか歩いてくるが、
クラスの女子の「我らが茜くんに何をする」オーラが届いたのか、渋々教卓に戻り教科書を指さした。



「ここの18行目から読みなさい」




貴「はい、………えっと、じゅうはち…」




教科書すら開いておらず、隣の席の男子に“27ページ”、と教えられていた。

こいつ、理数系は最高40点台で、他は二桁ギリギリとか言ってたな。マジで意外だったが。
白鳥沢、スポーツ推薦クソ多いからな。
悪いがきっと英語も壊滅的なんだろうと思った。

ところが。




貴「…“A pickled shallot is necessary, please permit me it by all means”」




…吃驚した。
寝起きの気だるげな掠れた声で流暢な英語を話し始めたので、俺の隣の席の女子が口を押さえて涙を流した。




貴「Akira said,“bring salted caramel by sunset.I permit it if I do so”」




とりあえず、ウザい女教師の絶句した姿を見られたのと、1発合格して嬉しそうな顔で俺を見るAを見て生まれてきて良かったと思うことができたので良しとする。






…後で知ったんだが、亡くなった父親が海外のリーグにいた為、Aも自然と英語が身に付いたらしい。

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