44 過酷な使命 〜千年の恋人�ぁ� ページ44
意識が落ちて眠るたび、思い出せと言わんばかりに遥か遠い過去の記憶が蘇る。
出逢った頃、宿儺と過ごす日々は幸せだった。
宿儺に愛されていることは明白だったし、私自身も彼を心から愛していた。
あの幸せな生活を続ける為には、全ての痕跡を消し去ることしか選択肢はなかった。
本当は…何もかもすべて、
壊さなければならなかったのに…
なのに私は…
宿儺と一緒に過ごす日々を、どうしても捨てられなかったんだ。
それまでの自分の人生を振り返っても、宿儺と過ごした日々が一番輝いていたから。
けれど私は、ひとつ…重大な秘密を抱えていた。
それが結果、宿儺を宿儺として覚醒させた誘因で、私が潜在的に拒む、記憶の全てを思い出したくない理由。
一族に疎まれた
その使命の遂行こそが、私がこの世に生かされている意味だった。
だから私は、あの日…ッ
私が過ごしていた部屋の庭には、毎日数匹の呪霊が訪れる。
お兄様の操る監視の呪霊達。
それを毎日、縁側に出て自分の術式で呪力を奪い、消滅させていた。
これで暫くは、お兄様の目を誤魔化せる。
宿儺さまに祓われているのだと…
でも、ある日。
一匹の蠅頭にまで呪力を失った呪霊が懐いてしまい、側を離れなかった。
どうしよう…もうすぐ宿儺さまがお戻りになられる。
何とか消滅させようと呪力を練ったけれど…
今日訪れた呪霊達はどれも呪力が強化されていて、私の呪力消費も激しく、消し去るのにも時間がかかってしまった。
「A？」
ちょうどその時、宿儺さまの声が聴こえた。
ダメね、もう時間がない。隠し通せないわ。
今日この場で、私に術式があることを明かしてしまいましょう。
驚くとは思うけれど、本来の目的…私の使命には気づかれないはず。
死ぬまで、死んだ後も言うつもりはない使命。
このお屋敷に来た数日後から、胸に秘めたまま生涯を終えることを決めていた。
いくら勘の良い宿儺さまでも、それだけは絶対に悟らせないよう細心の注意をはらう。
「またそんな端近に出ていたのか…」
「宿儺さま…申し訳ありません」
思惑は秘め隠し、ゆっくりと笑みを深めた。
それだけで宿儺さまが少し照れてしまうことを知っていたから。
「お前…術師だったのか…？」
案の定、膝の上の蠅頭に視線を落とした宿儺さまは、珍しく目を見張って驚いていた。
負の感情を緩和して相手の攻撃力と戦意を奪う…
私がこの力を本来の意味で
愛する人に向けることはない…
永遠に──…
*
45 自責の念と制裁〈貴女&宿儺side〉→←43 呪力の影響〈虎杖&宿儺side〉
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ゆずあ(プロフ) - みぃさん» ご愛読ありがとうございます！続編を楽しみにしていただけて嬉しいです(’-’*)♪ 近いうちにUPしますので、また遊びに来てくださいね！ 完結までよろしくお願い致します！(^人^) (2021年12月13日 0時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» ご愛読ありがとうございます！ 楽しんでいただけて私も嬉しいです(*´∀`)♪ 漠然と想い描いている最後を何とか文章に乗せて完結まで頑張りますので、よろしくお願い致します！(*-ω人) (2021年12月13日 0時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます♪続編嬉しいです！楽しみにしてますね(人 •͈ᴗ•͈) (2021年12月12日 20時) (レス) @page50 id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 続編ありがとうございます!いつも楽しみながら読んでいます!続編がんばって描いてください!楽しみに待っています! (2021年12月12日 17時) (レス) @page50 id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» 応援コメントありがとうございます！キュンキュンいただけて嬉しいです！宿儺&五条&虎杖との絡みとか書きたいことが沢山あって１話詰め詰め型ですが、完結まで頑張りますので、最後までお付き合いいただけると幸せです。(*^ω^)♪ (2021年11月28日 20時) (レス) @page33 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年11月6日 18時
