42 焦りと余裕〈虎杖side〉 ページ42
「ぉわっ」ドサッ！
「いってぇ！ ｸｿｯ…宿儺の野郎…少しは手加減しろよ！」
一瞬で現実に戻された衝撃で、身体がベッドから投げ出された。
「はぁ…」
床に寝転がったまま、深くため息をつく。
身体の痛みよりも、心臓の方が痛い。
せっかく会えたのに…一度はこの手で掴んだのに…
Aさんを連れ帰って来られなかった。
「……。」
よし、もう一回…
意識を心の奥底に沈ませていく。
・・・・
「ダメだ…見つからねぇ…もう一回！」
何度も何度も、意識を集中させてみたけど、どうしてもさっきの場所に辿り着けない。
それどころか、宿儺の気配すら感じられない。
さっきのAさんの表情を思い返してみる。
困惑した顔ばかりだった…
もしかして…
Aさん、こっちに戻る気ない…とか？
「五条先生！」
先生なら、きっと何とかしてくれる！
解決策を見つけてくれる！
跳ね起きて転がるように部屋を飛び出し、夜中だということも忘れて、五条先生の部屋まで全力で走った。
「先生！ 五条先生！ 開けるよっ！」
結構な勢いでノックしても返答がないから、勝手にドアを開けた。
って先生、鍵かけてねぇの！？ 無用心すぎねぇ！？
「あれ？ 悠仁、どしたの？ こんな夜中に…」
座ったまま眠っていたのか、五条先生はサングラスをしたまま大きなソファーから背を起こして俺を見た。多分。
「Aさんが！」
「っ！？ Aが何！？」
「あ、えっと…」
Aさんの名前を口にしただけで五条先生は立ち上がり、噛みつくように俺の両肩を大きな手で掴んだ。
勢いすご…これやっぱ 先生、本気でAさんのこと…
「宿儺の生得領域で逢ったんだけど、一瞬で宿儺に飛ばされて戻されて…」
宿儺の生得領域まで辿り着いた経緯と、その場の状況を簡単に説明した。
拙い言葉でも五条先生には理解できたらしい。
普段ふざけてて適当だけど、こういう時はほんと、凄い人なんだって実感する。
「で、Aは？」
「何か…戻るつもりなさそうだった…」
「何で！？」
「いや、わかんねぇけど…」
こんな風に焦ってる五条先生、初めて見る。新鮮。
「それで、さっきまで何回か試してみたんだけど、一度も宿儺の生得領域には辿り着けなかった」
「そうか…うん。ありがとう悠仁。とりあえず、宿儺はAに危害を加える気はないようだし、少し様子を見よう」
五条先生は冷静に、いつも通り余裕の声音で締め括った。
大人として、手に負えない感情を無理矢理コントロールしたみてぇ。
でもそんな建前、俺は好きじゃない。
*
43 呪力の影響〈虎杖&宿儺side〉→←41 千年の恋人�ァ匳頻�side〉
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ゆずあ(プロフ) - みぃさん» ご愛読ありがとうございます！続編を楽しみにしていただけて嬉しいです(’-’*)♪ 近いうちにUPしますので、また遊びに来てくださいね！ 完結までよろしくお願い致します！(^人^) (2021年12月13日 0時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» ご愛読ありがとうございます！ 楽しんでいただけて私も嬉しいです(*´∀`)♪ 漠然と想い描いている最後を何とか文章に乗せて完結まで頑張りますので、よろしくお願い致します！(*-ω人) (2021年12月13日 0時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます♪続編嬉しいです！楽しみにしてますね(人 •͈ᴗ•͈) (2021年12月12日 20時) (レス) @page50 id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 続編ありがとうございます!いつも楽しみながら読んでいます!続編がんばって描いてください!楽しみに待っています! (2021年12月12日 17時) (レス) @page50 id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» 応援コメントありがとうございます！キュンキュンいただけて嬉しいです！宿儺&五条&虎杖との絡みとか書きたいことが沢山あって１話詰め詰め型ですが、完結まで頑張りますので、最後までお付き合いいただけると幸せです。(*^ω^)♪ (2021年11月28日 20時) (レス) @page33 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年11月6日 18時
