41 千年の恋人�ァ匳頻�side〉 ページ41
珍しく何の用事もない休日と呼べる日。
Aが庭師に手解きを受けながら作り上げたという花畑を見に、Aの部屋を訪ねた。
「宿儺さま、いかがですか？」
「あぁ、美しいな」
俺がそう言うと、Aはふわりと笑う。
愛らしい笑顔は、花を敷き詰めたこの庭園よりも美しい。
「でもきっと、宿儺さまの薔薇の庭園には及びませんわ」
「そうだな…負ける気はしない」
「まぁ…大層な自信ですこと。来年が楽しみです」
出逢った頃に比べれば、見違えるほど表情が柔らかく豊かになった。
日々、Aへの想いが深まり、愛しくて堪らない。
俺がこのような心を持つようになるとは…
「A。近々、遠出するか？」
「え、よろしいのですか？」
「あぁ、常に俺の隣に居れば問題ない」
「…も、もちろん…お側は離れません…」
頬を染めながら俯く様子は、俺の情を煽っているとしか思えない。
すぐに腕の中に囲い、そのまま閉じ込めて離さなかった事は言うまでもないだろう。
＊
約束通り、Aを連れて日帰りの遠出をする。
Aの負担を考えて、
牛車から外を見るAは、そわそわと落ち着きのない幼子のようだ。
「A、少し落ち着け」
「だって、初めて目にするものばかりで…」
縋るように見つめられ、それ以上咎めることは止めにした。
はぁ…俺は、Aに溺れきっている。
もし子が生まれても、俺がAを甘やかすのは変わらないだろうな…
「宿儺さま？ どうされました？」
ため息を漏らしながら、Aの肩を抱き寄せる。
不思議そうに俺を覗き込むAの唇をそっと掬い、触れるだけの口づけをした。
それだけで、Aの頬は桜色に染まり、更に愛らしくなる。
これでは今夜、寝かせてやれんな。
「これが“海”なのですね！」
「そうだ。広いだろう」
「はい！ 吸い込まれそうです」
「それは困るな。では、こうしていよう」
「宿儺さま…」
海にはしゃぐAを後ろから抱きしめた。
何をしても何を言っても愛らしいな、お前は。
この感情は紛れもなく『愛』というものだろう。
それを伝える言葉も頭では理解しているが…
この俺には似合わない気がして、肌を重ねても奥深くまで繋がっても、未だに口にした事はない。
まぁ、その内…
「宿儺さま…私、今とても幸せです…」
「お前…俺を殺しにかかってるのか？」
「えっ！？ そんな事は…ッ」
思惑通り、焦って振り向いたAの唇を掠め取った。
*
42 焦りと余裕〈虎杖side〉→←40 呪縛〈宿儺&貴女side〉
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ゆずあ(プロフ) - みぃさん» ご愛読ありがとうございます！続編を楽しみにしていただけて嬉しいです(’-’*)♪ 近いうちにUPしますので、また遊びに来てくださいね！ 完結までよろしくお願い致します！(^人^) (2021年12月13日 0時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» ご愛読ありがとうございます！ 楽しんでいただけて私も嬉しいです(*´∀`)♪ 漠然と想い描いている最後を何とか文章に乗せて完結まで頑張りますので、よろしくお願い致します！(*-ω人) (2021年12月13日 0時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます♪続編嬉しいです！楽しみにしてますね(人 •͈ᴗ•͈) (2021年12月12日 20時) (レス) @page50 id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 続編ありがとうございます!いつも楽しみながら読んでいます!続編がんばって描いてください!楽しみに待っています! (2021年12月12日 17時) (レス) @page50 id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» 応援コメントありがとうございます！キュンキュンいただけて嬉しいです！宿儺&五条&虎杖との絡みとか書きたいことが沢山あって１話詰め詰め型ですが、完結まで頑張りますので、最後までお付き合いいただけると幸せです。(*^ω^)♪ (2021年11月28日 20時) (レス) @page33 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年11月6日 18時
