1 ひと休み ページ1
「たっだいまー！ Aいるー？」
ガラガラと古い引戸を転がして、聞き慣れたのんきな声が医務室に響き渡った。
「はぁい！ 五条先生、おかえりなさい！」
奥の保管庫で在庫の確認をしていた私は、急いで出入口から顔を出した。
瞬間、目の前に紙袋が差し出される。
「はい、お土産」
「わぁ、ありがとうございます！」
いつものように遠慮なく両手で受け取った。
「お茶を入れるので、五条先生も一緒にどうですか？」
「やった！ んじゃ、遠慮なく」
五条先生は出張のたびに、こうしてお土産を買ってきては、それを口実に医務室でひと休みしていく。
そう、本当に『ひと休み』
五条先生は特級呪術師だから、手掛ける任務もひっきりなしなんだ。
だから私の役目は、僅かな時間でも五条先生がゆっくり休める空間を作ること。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。A、今日は一段と可愛いね」
「そんな事ないですよー。でも、ありがとうございます」
「本当の事なんだけどな…」
五条先生のリップサービスはいつもの事。
それをサラッとスルーして…
「うん！ 今回のお土産も絶品です！」
「でしょでしょ〜！ 僕お気に入りのケーキ屋のモンブラン、いけるでしょ」
「はい！いけちゃいます！」
「Aったら大胆っ」
「んもう！ 下ネタ禁止ですよ！」
はははっ！ と、軽く笑った五条先生。
目隠しをしていても相変わらず、雰囲気と佇まいがかっこいい。
密かに憧れの眼差しを向ける。
出会った頃からずっと、五条先生はかっこよくて憧れの存在だった。
「A、最近変わったことはなかった？」
「変わったこと…？ いえ、特には…」
五条先生が出張に行っていた３日間、特に気になる出来事はなかった。
首をかしげながら返事をすると、五条先生はふっと微笑んで、私の頭を撫でてくれる。
「うんまぁ、Aは
「けど…？ 何か気になる事でもあるんですか？」
五条先生が珍しく言葉を濁したところを、私は聞き逃さなかった。
「うん…ちょっとだけ警戒しててくれるかな？ 僕も一応、網は張っておくから」
「はい」
五条先生のこういう予想は外れない。
だから、緊張しつつも真剣に返事をした。
「…って事で〜、僕、次の任務があるからもう行くね」
「え！？ もう！？」
確かに五条先生は、高専でゆっくり寛いでいていい存在じゃないけれど、それにしても…
「だぁいじょうぶ！」
五条先生は普段通りの明るい声音で、目隠しを片目だけ親指で押し上げた。
*
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ゆずあ(プロフ) - みぃさん» ご愛読ありがとうございます！続編を楽しみにしていただけて嬉しいです(’-’*)♪ 近いうちにUPしますので、また遊びに来てくださいね！ 完結までよろしくお願い致します！(^人^) (2021年12月13日 0時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» ご愛読ありがとうございます！ 楽しんでいただけて私も嬉しいです(*´∀`)♪ 漠然と想い描いている最後を何とか文章に乗せて完結まで頑張りますので、よろしくお願い致します！(*-ω人) (2021年12月13日 0時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます♪続編嬉しいです！楽しみにしてますね(人 •͈ᴗ•͈) (2021年12月12日 20時) (レス) @page50 id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 続編ありがとうございます!いつも楽しみながら読んでいます!続編がんばって描いてください!楽しみに待っています! (2021年12月12日 17時) (レス) @page50 id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» 応援コメントありがとうございます！キュンキュンいただけて嬉しいです！宿儺&五条&虎杖との絡みとか書きたいことが沢山あって１話詰め詰め型ですが、完結まで頑張りますので、最後までお付き合いいただけると幸せです。(*^ω^)♪ (2021年11月28日 20時) (レス) @page33 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年11月6日 18時
