幼心 *** ページ26
大毅
熱があるのは、マネさんから体温計を差し出されて初めて知った。
でもほんま、具合とか悪くなかってん 。
むしろ、気持ちは高揚してるし、足元が軽いし 、
心も身体もふわふわしてるみたいな 、
そう、なんか酔ってるときと同じ感じ 。
やから、楽しくってちょっと調子に乗ってしまった 。
ブレーキかける気が回らなかったのも、熱のせいかって
まぁ気づいたのはあとのことやけど。
小瀧「 ほんっま、アホちゃうん 」
小瀧が半泣きになりながら、一生懸命背中をさすってくれとる 。
何泣いてんねん 、
そうつっこみたいけど、
具合悪すぎてぽろぽろ涙が零れてるのは実は俺で 。
ハンモックの揺れが心地よくて眠ってしまったのは覚えてる 。
けど起きたら目覚めは最悪で 、自分で歩くこともできひんかった 。
重岡「 … 、 っ、 んんー… 」
藤井「 いまマネさんが近くの病院予約してくれとるから。」
流星が俺と小瀧にふわっとブランケットをかけてくれた 。
寒くて、震えが止まらんくて
震えるたびに頭がガンガン痛くて
この異様な具合の悪さがめっちゃ不安で、
大して力も入らないけど、必死に小瀧にしがみつく。
動けなくてどうしようもない俺が少し動けるようになるまで、
倒れた場所で小瀧が抱えてくれてる 。
藤井「 望、一緒に運ぼ 。ごめんなしげ動かすで 」
しばらく動けるようになんてなりそうにない 、
そう思っとったら流星が伝わったかのように肩貸してくれた 。
けど、ふわっと起き上がった感覚で目が回って 、
次 目を開けたら病院の天井、なんてありがち展開に 。
重岡「 … 」
撮影のあとたぶんそのまま連れてきてくれたから、
病院には似つかわしくない格好のイケメンが3人、
椅子に座って談笑しとる 。
ぜんぜん気づいてくれへん 、俺が目覚めたこと 。笑
重岡「 しげおか 、起きましたー …」
一応報告してみると、
小瀧「 自己申告(笑)気分どうや?」
さっきとは変わって笑顔の小瀧 。
みんな俺の顔覗き込んで笑っとる 。
なんか絶対近くに3人おる、この感じ。
俺、覚えてる 。
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作者名:こゆ | 作成日時:2018年3月20日 8時