ヒーロー *** ページ21
大毅
目を開けると 、真っ白な天井 。
少し視線を動かせば 、自分の腕から点滴のくだが伸びていた 。
重岡「 ごほっ、ごほっ、 … ケホッ」
咳をして、少し喉の通りが楽になってることに安心する 。
よかった 、やって、咳もできへんくらい息詰まってて
めちゃめちゃ苦しかったんやもん 。
重岡「 … は 、 … は、 … っ ふぅ 」
息はできるようになったけど 、自分の呼吸音がやけに耳に響く 。
瞬きすると、天井が近くなったり遠くなったりするし 、
目の奥が変に熱いのに 、身体の芯はゾクゾクする 。
やっぱ熱はあんのな 、なんて、
自分のことやのにやけに客観的やな、俺 。
中間「 … あれ、 起きてる 」
桐山「 ほんまや 、調子どう？」
ドアが開いた音と同時に 、安心する2人の声 。
中間「 ははっ、 泣かんでええって 」
淳太に頭ポンポンされて 、
初めて自分の目から涙がこぼれてるのに気づいた 。
重岡「 … っ、ちが … ゴホゴホ っ 、」
桐山「 な、泣いてへんよなぁ 。淳太くん泣かすなや〜」
照史が笑いながら背中さすってくれる。
中間「 肺炎起こしかけてるらしいで 、しげ 。
やから熱とか咳がしんどいんやって 。
あと、呼吸苦しくなったのはアレルギーの喘息発作やないかって 」
そう言えば昨日仕事した楽屋 、やけに埃っぽかったかも 。
体調悪いところにホコリとかダニとか 、
異様に反応してしまったんかなって 、
これはあとあと思った話 。
今はふたりの顔みたら 、とにかく眠くて 。
桐山「 ん、また寝んのな 。笑 」
重岡「 、 ごめ …… 」
身体中がしんどい 。
けど、ずっと具合悪かったここ２、３日の心細さが消化された気がして 。
次起きたときも、ふたりがおってくれる気がしたから
安心して目が閉じた 。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こゆ | 作成日時：2018年3月20日 8時
