ヒーロー ** ページ20
照史
俺らが着いた時は寝とったけど、この苦しそうな呼吸。
やっぱり長くは続かないようで、すぐに起きてしまった。
桐山「しげ、おれら来たで?連絡くれてありがとうな?」
重岡「 … ごっほ ! ゲホッ んんっ、」
中間「 おぉ、 すんごい咳してんな 」
起こして背中をさすってやる。
ゲホゲホ出来たら少しは楽なんやろうけど、
喉につかえて痛々しい咳になってしまう。
桐山「 しげ、声でない?」
重岡「… ごほっ 、 ん 、う 」
呼吸の苦しさで涙目になりながら 、なにか言おうとするんやけど、
パクパク口が動いても、息がヒュウっと漏れるだけやった。
桐山「 苦しいな〜 …」
とりあえず、ちょっとでも楽になるように肩にしげの顎をのせて
抱き抱えて背中をさする。
中間「 なんか、首あっためるのがいいらしいで 。」
淳太くんがホットタオルを作って首に巻いてくれて。
中間「 あ、寝たっぽい 」
桐山「 ほんま? ずっと俺こうしとかなあかんなぁ笑」
俺のとこからしげの顔見えんから、淳太くんが教えてくれた。
中間「病院、連れてった方がええよね 。熱も高そうやし。」
桐山「な、息苦しくて寝れないって普通やないし…マネさんに連絡とってみる?」
しげが俺にもたれて寝ている間に淳太くんが連絡とってくれて。
しげの午前中の仕事とあわせて、グループの振り入れも延期になった。
桐山「 ん、朝か … 」
目を覚ますと身体の中には、しげが。
少しだけ穏やかになってる呼吸に安心する。
中間「 あ、照史起きた 。おはよう 。」
桐山「 おはよう、淳太くん寝てないん? 」
中間「 ううん、一時間前に起きた 。ごめんな、一晩中。重かったやろ」
部屋を見渡すと、加湿器たいてあったり少し片付けてあったり。
中間「 ちょっと熱測るあいだこのままでもええ?」
桐山「 おん、ぜんぜん」
体温計が示した数字は38.2℃ 。
触った感じからしても 、夜中より少しは下がったんかな 。
中間「 でも、朝と考えれば高ない? 」
桐山「 な。昨日の呼吸 酷かったし病院は連れてこう 」
まだ俺の腕の中で眠っているしげは 、背中で息をしていた 。
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作者名:こゆ | 作成日時:2018年3月20日 8時