知っとる ** ページ25
流星
中間「あ、流星 丁度いいとこおった」
藤井「ん、なに？」
中間「限界突破、休ましたって。ごめん俺スタッフさんに呼ばれてて」
今日も新譜の振り入れ。
自販機で飲み物買ってレッスン室に戻ろうとしたら、
淳太と、淳太に抱えられたしげが出てきた 。
藤井「 うわ、顔真っ青やん 」
重岡「 ごめ 、っ ごめん…っ、」
何を思ってるのか 、仕切りに謝るしげに気付かないふりして、
抱えて楽屋に戻った 。
重岡「流星、もうええよ 戻って 、おれも もう平気やし …」
藤井「そんなたどたどしい喋り方のやつ置いてけへんわ」
貧血もあると思うし 、何より寝不足。
元気もなければ食欲もないし、身体重そう。
数分寝とったと思ったんやけど、
重岡「 …っ！ 、」
ガバッと勢いよく起き上がって。
藤井「 どうした？吐きそう？」
重岡「 ううん、 … りゅうせ 、」
藤井「おん、ここ おるよ。どーしたん。」
まだ血の気のない顔のしげが、思いっきり眉を下げながら手を伸ばしてきた。
思わず抱きかかえて とんとんと背中をさすってみる。
藤井「 寒い？震えてるで 」
重岡「 わからへん 、ふらふらする …っ 」
藤井「 目眩するん？そらしんどいやん」
重岡「 … うーーー」
じっとりと背中が濡れてるのは冷や汗なんかな
とりあえず使ってたブランケットをしげに巻いて 、またしばらくさすってた。
濱田「流星、しげどないかな…？振付師さんが１回みんなで合わせて終わりにしようって言ってんねんけど」
遠慮がちにドアが開いたと思ったら、濱ちゃん。
ちょっと無理そうやでって俺が言おうとする前に、しげが口を開いた。
重岡「 わかった 、はまちゃんありがとう」
藤井「え、大丈夫なん？俺らの仕事ん時くらい無理せんどき」
重岡「ううん、流星に抱っこしてもらったら良くなったわー。笑」
濱田「え、流星まじか。俺にもあとで…」
「「はまちゃん、きもい」」
あんなにしんどそうな顔しとったんに、ケラケラ笑って 。
そういうとこが、心配になんねんな 。
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作者名：こゆ | 作成日時：2016年3月25日 1時
