命短シ、羽バタケ乙女 (ページ6)

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第4話ページ6

小さい子がプルリルによって溺死する例は多くないとの事。
その為ポケモンを連れていないトレーナー等、特に子供だけで浅瀬から出てはいけない決まりだ。

ただ今回は浅瀬にとても近い場所での事だったので、彼もここまでプルリルが来たことに驚いたという。
兎も角、すぐに助けを呼んだのが項を成したと、怖かったのに偉かったぞとライフガードの彼はノボリとクダリの頭をポンと撫でた。

それでも自分達のせいでAが死にかけた事に酷くショックを受け、そして何より引きずり込まれていくAに成すすべ無かった自分達の無力さに2人の顔は晴れることがなかった。
父親も、2人が今回の件にとても堪えている様子を見て、注意する事はあっても叱ることは無かった。目の前で最愛の妹が死にかけたのだ。今はそっとしておくべきだと判断し、3人はライフガードにお礼を言い、A達のいる病院へと向かった。

───

『兄さん』

解毒剤によって無事痺れも取れ、医者からのお墨付きも有りAは入院することなくその日の内に病院を出ることが出来た。
すこし疲れた顔色をしていたが、それでも兄達の姿を見ると笑顔で寄ってくる。

そんな姿を見てまたノボリとクダリは泣きながらAをぎゅうぎゅうと抱き締めごめんねごめんねとひたすら謝った。

もう二度とこんな事が起きないよう、この腕の中にある小さくて暖かい大切な妹を失わないように……何があってもAを守れる兄になろうとこの日2人は固く誓った。

おめでとう！

ノボリとクダリは

激重シスコンに進化した！！

──────

A…
この件を境に水(特に海)に入るのが少し怖くなった。
別に兄達のせいとは全然思ってない。あれは事故。

ノボリ…
あの時自分がハッキリと止めておけば…！と強く後悔してる。必死にAを引っ張ったのに全然効果なかったことに自分の無力さを痛感。この日を境にﾍﾋﾞｨなシスコンになる。

クダリ…
あの時自分が言い出したりしなければ…！とはちゃめちゃに後悔している。これからはしっかりルールを守って安全運転する。意識を失ったAの顔が忘れられない。この日を境にﾔﾍﾞｪシスコンになる。

両親…
プルリルが浅瀬近くに出現しているとは思っていなかったので焦った。言いつけ守らなかったのは良くないけどそれ以上に双子の精神状態が心配だし、娘がトラウマを持たないか不安。でもAに関しての不安は杞憂に終わる。しかし双子の精神状態は色んな意味でやべぇ