命短シ、羽バタケ乙女 (ページ16)

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第14話ページ16

ネズの見送りのもとガラル地方を発った2人は無事にイッシュの家に戻った。
アーマーガアを捕まえた事に母親は驚いたもののAを祝福し、ノボリとクダリは電話越しでその時の様子を詳しく知りたいと長いこと話していた。そして新しい土地に興味津々だったアーマーガアはAと共にライモンシティを散歩するなど、イッシュ地方に帰って来てからは緩やかに時が流れていった。

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さて、年月が経ちノボリとクダリ2人はひとまず旅を終え、既にギアステーションで働く事を視野に入れつつ、両親から様々な事を教わりながら、日々バトルに明け暮れている。そして、Aも旅立つ日が刻一刻と迫っていた。

ノボリから貰ったヒトモシ、クダリから貰ったシビシラスと共にAは鼻歌を歌いながら荷造りをしている。
そんな様子を緩み切った顔をしつつ、どこか心配げに眺める双子の影。

クダリ｢……｣

ノボリ｢……｣

クダリ｢……ねぇノボリ｣

ノボリ｢……えぇクダリ｣

"旅に行かせたくない！！"と心の中で叫んだのはどっちだろうか。多分どっちも同じタイミングで叫んでいるだろう事は容易に想像出来る。

これから始まる旅を心待ちにした様子でベビーポケモン達と楽しげに荷造りしてるAすっっごく可愛い！！！こんな可愛い妹を一人旅に出す？？まだ11歳なのに？？？？
まだ11歳なのに旅に出すのありえないとか言っているが、それは盛大なブーメランである事を2人は気付いていない。そんな気づけるほど落ち着いていない。

ノボリ｢見てくださいましあの笑顔！あぁっヒトモシとシビシラスに囲まれて嬉しそうにしているAのなんと可愛らしい！｣

クダリ｢わかってるAが可愛いの当たり前、だから心配。Aが1人で外出たら絶対拐われる｣

ノボリ｢それは絶対いけません！！はぁ、やはり心配です……。せめて後２～３年は待ってもらいたい｣

クダリ｢うん、でもそれはきっとムリ。だってA今あんなに楽しそう｣

そう、Aはここ1週間前から一人前のトレーナーになる為の旅に出る事を心待ちにしていた。ノボリとクダリの旅の話を聞いて、自分も沢山のポケモンと出会い、ハラハラドキドキするような冒険をしたいとずっとその時を待っていたのだ。

……旅に出る時期を先延ばしにしよう等という提案は非常に出しずらい。

ノボリ｢……しかしそれでも兄として、妹を守る義務があるのです｣

クダリ｢うん。……A｣

『？』

少し、外でお話しよう。