水の時間。3 ページ48
みんなに促されて、おそるおそる水面に足をつける。
「いっ…………………」
暑さで火照っていた体がいきなりの冷たさに敏感に反応する。
冷えきった水の温度は、あの忌まわしい過去を彷彿させる。
そのままキラキラと光る水中にドボンとつかる。
思ったよりも深い…………;
「ほらほら、こっちだって」
前原が私の手をとり、片岡さんのところへと連れていく。
え、マジでやる気…………?
「本田さんはあまり海に入らないのかしら」
「幼稚園のとき以来入っていないな」
「海とか行かねぇの!?もったいない、バランスいいのにな……………筋肉質な片岡と並ぶとより一層ふごっ」←
「黙れ変態」
片岡さんのボディーブローすごっ。
磯貝のところまでとばしたよ。
般若の形相を崩した片岡さんは、私に微笑みかける。
「クロールとかやってみる?そんなに難しくないし…………」
……………別に悪い意味はないのだと思う。
単なる親切心からだろう。
でも私からするとおせっかいだ。
これ以上失いたくない。
これ以上人の人生を背負って生きていきたくないんだ。
「ごめん、いいや。片岡さんありがとね」
申し訳なさで顔を伏せていた。
ずりずりと重たい足を引きずり、先程降りてきた岩まで歩く。
水を見るのはもうごめんだ。
「待てよA!!」
前原の声で立ち止まった。
辛くて歪んだ顔を見せたくないので振り返らずに喋る。
「なんだ。もう水と関わりたくない」
「何いってんだよ。泳げたらいっぱい遊べるし溺れることもないし……………」
『溺れる』
〈A!!今父さんが助けてやるからな!!〉
何もかもが押さえられなくなった。
ラッキーカラー
あずきいろ
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ゆっきん(プロフ) - 40000hitありがとうございます!ものすごく嬉しいです。 (2016年3月4日 21時) (レス) id: 5ec01b8661 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきん(プロフ) - ユーリさん» 超ヤバイ。マジヤバイ。私もユーリさんと共にキュン死してしまいます。 (2016年1月31日 20時) (レス) id: 6940a02375 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 前原やばいですよね!!!イケメン過ぎてキュン死にしてしまいそう・・・・ (2016年1月31日 20時) (レス) id: 324f510501 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきん(プロフ) - 20,000hit………………!!ありがたいです。評価をこれからもよろしくお願い致します。 (2016年1月27日 19時) (レス) id: 6940a02375 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきん(プロフ) - 抹雨喇らいとさん» ありがとうございます。これ小六でやった『ツルツルの恩返し』っていう劇が題材になってます。また機会があればこういうのやりたいですな☆ (2016年1月22日 15時) (レス) id: 6940a02375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キング | 作成日時:2016年1月4日 11時