18話 ページ18
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にこにこと相変わらず何を考えているか分からない童磨様の腕にするりと手を添える。
彼が人でなくて、何が悪い。
「童磨様からの贈り物を身に付けていると、何というか所有物感が出て少し高揚してしまいますね」
「それ、どちらかと言えば贈り主の台詞だと思うけど？」
「うふふ、はしたなくてごめんあそばせ？」
誰かの言葉一つで救われることがある。
ヒトであれモノであれ、救ってくれたものが一番大事になるのは当たり前のことではないだろうか。
人として一緒にいるのが不可能なら私がそちらに堕ちよう。
正しさなんて千差万別、生き物の数と同じだけあるのだから。
「童磨様とずっと一緒にいられるように、私頑張りますからね！」
二人正しく共に堕ちようではないか。
ギラギラと目を輝かせる私に、彼は頷きながらくすりと笑った。
「うん頑張れ頑張れ〜」
「童磨様は適当なお返事でも格好良いですね」
「出たよ、君の褒め殺しタイム」
「飽きちゃいました？」
「少しね！それより…」
そっと私の髪に簪を戻した彼の手がするっと頬まで下される。
温かいなあ、なんて呑気に考えているうちにゆっくりと近付いてきた端正な顔を見てハッとする。
「あ、あの童磨様？近っ…」
「俺は、こういう顔の方がそそられるぜ？」
にやりと口角を大きく上げて笑ったかと思えば、美しいその瞳を閉じた彼。
次の瞬間、僅かに額に感じた熱に思わず目を見開く。
「な、え…は？」
「何だい？」
「いや何だいじゃなくて今…」
「うんうん」
「額にく、口付けを…」
「ええ〜？幻覚じゃないかい？」
「もうっ！私は真剣なんですからからかわないで下さいよ！」
「あはは！俺も真剣にAちゃんと遊んでいるんだけどなあ？」
「〜〜っ童磨様、私のこともう好きでしょう！？」
「いやあどうかな〜？なんせ俺は感情がないから分からないなあ」
「う〜ずるい…でもここまできたら絶対に貴方様から言わせてやるんだから…！」
「うん、期待しているからね！」
心なしか来るときよりもゆっくりと歩き出す彼。
私の人酔いに気を遣ってか、はたまた気まぐれかは分からないが、私に歩幅を合わせて歩いてくれる彼との時間がどうしようもなく幸せだと思った。
ねえ童磨様。
きっと、ご自分では気付いていないでしょう？
「(今、貴方とっても良い色しているんですよ)」
そっと心の中で囁きながら、私は彼の腕に添える手に力を込めたのだった。
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ルイマ - コメントはしてなかったけど一応小説作成日から見てます！ (2020年8月26日 0時) (
レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - ルイマさん» （本当ですね！お名前が似ている〜！）ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(*´ω`*)頑張ります〜！ (2020年8月25日 23時) (レス) id: 94aec662ed (このIDを非表示/違反報告)
ルイマ - （私のネ一ム主さんの名前に一文字たした名前、＿）めっちゃ好きです！更新がんばってください (2020年8月25日 23時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2020年4月12日 14時
