伏黒がデレた

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藤沼さんは新田さんの言葉に安心したのか
安堵の表情を浮かべた

藤沼「肝試しに行ったのは部活の先輩2人…

そうだ伏黒くん」

藤沼さんは恵に向かってこう言った
「あの時津美紀さんも一緒にいたよ」と。


(津美紀って恵のお姉さん…!!)

恵を見ると一瞬目を見開いたがいつもの無表情に戻っていて、そこで藤沼さん達との話は終わった

少し遠くで藤沼さんと中学生Aが会釈をして帰るのを見届ける


悠仁「伏黒」

悠仁が恵に声をかけるが恵は下を向いて俯いている
その顔には汗が滲み出ていて、津美紀さんの深刻さを表していた

悠仁「伏黒！しっかりしろ！まずは安否確認だろ!!」

悠仁が恵の肩を掴んでそう言うと

伏黒「悪ィ少し外す」

そう言って離れたところに行ってしまった
私はそれを見ていることしか出来なかった

恵は戻ってきて任務の危険度がつり上がったから私たちにもう帰るように言って無理やり車に乗せた

私は車に入る1歩前で止まって恵を見た



『ちょっ、恵はどうするの？まさか一人で行くとか…』

伏黒「俺は武田さんに挨拶して帰る」

早く乗れと言って体を押してくる恵の手を掴んで

『また何か、1人で抱えようとしてる』

その言葉に眉間に皺を寄せて私を見るそしてため息をついて

伏黒「心配すんな」

とだけ言い私の体を強く押して車に押し込んだ
そのまま車は出発してしまった




こんなような事前にもあった気がする

恵が学校の教室で1人で険しい顔をして居るのを私は見て見ぬふりをしていた

なんで声をかけなかったのか、話を聞いてあげなかったのか、

きっとあの時も津美紀さんのことで悩んで居たんだろう



だけど今ならわかる気がする。
恵の邪魔にならないようにこれが正解だって肯定してた
自分なんか邪魔者になるに決まってるって決めつけてた




でも恵のあんな辛そうな顔をもう私は見たくない








『新田さん戻ってください。

悠仁、野薔薇、恵を助けに行こう』


私は後部座席に居る2人を振り向いて見る


2人はもう私の考えを分かっているかのように深く頷いた


釘崎「あの馬鹿叱ってやる」

悠仁「なにがあったのかしらねぇけど伏黒を助けんぞ」



私達は再び八十八橋へと向かった

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