伏黒がデレた

35 ページ37

伏黒side


少し離れたところでAは呪霊を全て祓うと足取りが悪くなり
後ろに頭から倒れそうになっていた

伏黒「おいっ…」

俺はその場から動こうとした、だがそれは阻まれた


隣にいたはずの五条先生はいつのまにか倒れそうになっていたAを抱いていたのだ



(は、)


瞬きよりも速くアイツの元へ行き、助けた



伏黒「俺の出る幕なんて、ねえのかよ」

ボソッと自分にしかわからない声量でつぶやいた



(俺がアイツを守るって言ったのに、いつもそれができねえ。)


こんなんでいいのかよと自分の頭を荒くかいた



2人を見るとどうやらAは気を失っているようで、五条先生はアイツを背中に回して背負った。









五条先生はこっちに歩いて来ると眠っているアイツの顔を俺に見せてきた、心配しているのが顔に出ていたのだろう

五条「大丈夫だよ、眠ってるだけさ」

伏黒「そう、ですか」


吃る俺を先生は


五条「あれもしかして恵みがおんぶしたかった？」

伏黒「はぁ？なんでそうなるんだよ」

五条「したそうな顔してた」

伏黒「してませんそれより早くここから出たほうがいいんじゃないんですか？」

五条「そうだね〜」




ため息をつく


五条先生のくだらない話を終わらして高専へと向かった




伊地知さんが森を出たすぐの所に車で迎えに来ていて
助手席に五条先生が座り
後ろにAを寝かせその横に俺が座った



横にいるAに目を向けると
スースー寝ながら口は半開き。少し口の横が濡れていた


(よだれ…馬鹿な顔。)


こんな馬鹿面な呪術師なんていない
だか俺はこんな馬鹿面の事を少し気に入っている



横になって寝ているAの頬を手の甲でスリっと撫でた





高専に着くと五条先生がAを車から下ろした

車で横になっている状態から下すにはおんぶだと難しかったと、横に抱いていわゆるお姫様抱っこをした


Aが男に、しかも無防備な状態で横抱きにされているのを見るのは少し心がモヤっとした



(モヤ？なんだそれ、だって抱いてるのは五条先生だぞ嫉妬なんてするわけない)


アイツのことは五条先生と硝子さんに任せて俺は自分の部屋に帰った

36→←34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す