148 世界中の誰よりも ページ17
――A――
北「……俺さ、この間玉森と飯なんか食ってないからな。……意味わかる?
『……意味?』
北「その日玉森は高田ちゃんと一緒にいたんだよ。2人でね。」
この間、、、確かに言ってた。みっくんとご飯食べて来るって…
北「…俺はアリバイに利用されたんだよ。そこまでして高田ちゃんといたかったんだろ。」
『……北山さんの言葉は信じられません。それに裕太ちゃんと帰って来たし。』
北「…やる事やって帰ってきたんじゃねぇーの?」
『…………。』
やる事やってって…
どうしてそんなこと言うの?ひどいよ、みっくん。
『そんなこと絶対にない。裕太は簡単に浮気なんてする人じゃないから!北山さんとは違うもん!』
こんなとこで泣いて、自分でもバカみたいって思うけど…そんなこと考える余裕なんてなかった。
北「俺とは違う…か。」
『…違うよ、全然違う。』
北「そんなに好きか?玉森のこと。」
『…好きだよ…、世界中の誰よりも好き…』
言った言葉に嘘はない。裕太が好き…。
北「俺の言葉は信用できないわけ?全部嘘だと思ってる?」
そうは思ってない……
食事に行ってないなんて、そんなバレる嘘はつかないと思うよ。
でもね…嘘だと思いたいの。
『…思ってるよ。だって、、裕太は、、』
北「自分のことが好きだから?」
『…………。』
裕太は私のこと好きなのかな?
みっくんの言うとおり、私が可哀想だから傍にいてくれてるの?
もうわけがわからないよ…。
みっくんに会わなければよかった。
『もう何も聞きたくない……。』
北「ごめんな、こんな話。でも、俺はAが傷付けられてるの黙って見ておけないから…。
何かあったら俺が守ってやる。忘れるな…俺は何よりも誰よりもAが大切なんだ。」
みっくんの手が私の手を包む…
力強くて、でも優しくて……
私はずっと守られてきたんだ。
でも…裏切ったのはみっくんだよ。
もうその手に守られていくわけにはいかないの。
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作者名:yuna | 作成日時:2018年7月22日 8時