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しばらく無言で私の手を引っ張って歩いていた光啓が立ち止まる。
「ねえ、なんでそんなふうになってんの?」
「うん?なにが?」
「顔も服も。口ぶりも違うじゃん。ねえなんで?」
「⋯好きな人ができたの。」
なんて言ったらいいのかわからなくて適当に言う。
半分本当で半分嘘。好きな人はずっといる。
「⋯は?好きな人?誰?」
「光啓には関係ないでしょ?」
「関係あるよ。」
「なんで?」
「幼馴染じゃん、俺ら。」
そう言った光啓。やっぱり私はただの幼馴染。
幼馴染。⋯なんて便利で、絶望させるもの。
「そんなの関係ないよ」
「⋯⋯じゃあ、幼馴染、やめるか。」
その言葉に理解ができなくて。
幼馴染なんて嫌だけどそれがなくなったら私達はただの同級生だ。
「⋯⋯好きな人なんか作るなよ。⋯なんで勝手に作ってんだよ。」
「なんで?私の自由じゃん。」
「⋯わかれよ。俺、Aのこと好きなんだけど。」
「⋯⋯は?」
予想してなかった言葉に女の子らしく、なんて頭から抜け落ちた。
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ユエ(プロフ) - ちなつさん» ありがとうございます!そう言って頂けると更新頑張れます! (2017年12月9日 23時) (レス) id: 4af624dacc (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - 続きを楽しみにしています!頑張ってください! (2017年11月29日 21時) (レス) id: 6080edd9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユエ | 作成日時:2017年11月26日 12時