局長補佐はゲーマーです。

染まる ページ30

夢をみた。



私の、小さい頃の、夢を。







花畑に、3人きり。



小さな私と、赤髪の男の子と、紺色の髪の男性。



どこかで見たような、懐かしいような、



私と、男の子と、男性と。



花をつみ、輪っかにして、頭上に掲げる。



色とりどりの花畑で、3人で



お揃いの、花の冠を



顔はよく見えないけれど、



幸せそうな、笑い声も聞こえる。






























次の瞬間












真っ赤に燃え上がる、花畑だったはずの場所。



辺り一面、火の海で



恩師も、友達も、家族も、恋焦がれた人も、



みんな、みんな、真っ赤に染まる。



逃げる男性、転ぶ私、それに駆け寄る男の子。



遠くから私たちを見つめる、天人。



燃え続ける、草花、木々。



悲鳴をあげる、死にゆく人々。



天人の、笑い声が聞こえた。



その手には、薬のようなものが握られている。








あれはきっと、噂で聞いた、不死身の薬。











男の子が、男性が、




私を逃がすために、囮になった。





聞こえたのは、2人の悲鳴と、銃声と、




天人の、高笑い。








焦げた匂いのする、灰と化した花畑で




もう走る力もなくなり




蹲って、顔を伏せた。











































遠くから聞こえる、誰かの声で




私は顔を上げた。

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