「お前だるいって」(K.K) ページ2
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『ペットボトル、固い』
「ほんで？」
『……言っただけ』
「はぁー？ お前だるいって」
鋭く冷たい言葉が、ナイフとなって胸に突き刺さる。
呆れたような表情も見てられなくて、すぐに目を背けた。
遠くで話していたと大晴くんと晶哉くんがこちらを心配そうにチラチラと伺っているのが視界の端に映る。
この刺々しい空気に耐えられなくて、救いを求めるように大晴くんたちの方へ身体ごと向きを変えた。
『たいせ、』
伸びてきた手が乱雑にペットボトルを奪い取る。
呼びかけた口のまま私よりはるかに高い位置にある彼の顔を見上げると、やっぱり変わらず不機嫌そうに眉間に皺を寄せていた。
「ん」
『へ、』
「はよ受け取れ」
なんてことないみたいに、キャップを緩めたペットボトルを渡してくれる。
小さな声でお礼を伝えるとぶっきらぼうな「どーいたしまして」が聞こえた。
私と話すときはどこか冷たい小島くん。
それでも諦められなくて頑張るんだけど、成果はいまいち。
先生に呼ばれた彼の背中を見送り、同じく呼ばれた晶哉くんには頑張れを伝える。
お互い1人になったとこで、ぱたぱたとかけ足で大晴くんに近寄った。
『小島くんが開けてくれた』
「見てたって。笑」
『うれしい』
今すぐ飲みたかったわけでもないペットボトルをぎゅっと握りしめる。
『えへへ』
ピロン、と効果音。
目の前に座る大晴くんはスマホ越しに私を見ていた。
『撮った？』
「気のせいちゃう？」
『や、絶対音聞こえたもん』
「俺なーんも知らん」
じとーっと見つめても無視して大晴くんの意識はずっとスマホへ向けられている。
何を言っても認めてくれなさそうだし早々に諦めた。
『大晴くんはいいなぁ』
「なにがー？」
『小島くんから無条件で可愛がられてて』
「別に俺それ嬉しないんやけど。笑」
むくれた私の頬をニコニコの笑顔でつんつんする大晴くん。
仕返しに私もやろうとして腕を伸ばす。
「なにしてんの」
だけどそれは少し息を切らした小島くんに止められてしまった。
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ゆの(プロフ) - ゆきまろさん» こちらの方までありがとうございます！ 佐野担さんに喜んでもらえたなら大満足です！！ (2022年10月26日 10時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまろ(プロフ) - 佐野担の私は無事に死亡しました、、、これ何回も読みます、、！ (2022年10月25日 23時) (レス) id: fd73da006f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆの | 作成日時：2022年10月25日 4時
