７８ 焼くオンナ ページ28
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「あれはいつだったか。
・・・はっきり覚えてません。
・・・ショーの打ち上げに
来ないかと招待されました。
イタリアのブランドだったかな。
場所はその日本支社の、社屋で。
社屋の屋上でバーベキュー。
飾らないパーティーだからと
言われました。
そこでは、
モデル事務所から派遣された子達が、
給仕をしていて。
他のブランドから
俺みたいなデザイナーも
沢山招待されてましたし、
給仕のモデルの子達は、
顔を売ることに懸命になっていましたね。」
「ん？」
バーベキューパーティー？？
なんか身に覚えが・・・。
記憶を探ぐり、考え始める私。
・・・・・。
「あわよくば誰かの目にとまり、
そして上手くいけば、
次のショーで使って貰えるかも。
・・・まさに、モデル達にしたら
絶好の顔を売るチャンス。
そう言う彼女達の
野望や情熱みたいなものと、
あわよくばそう言う、まぁ・・・
甘い夢を見てるモデルの子を、
上手く誘って一晩だけ楽しもうと
思ってる・・・
夢を利用して
甘い汁を吸おうとする人間。
そう言うなんて言うか・・・
欲望の吹き溜まりの場所の中でした。」
そこまで言って
一口コーヒーを飲むチャンミン
「・・・・・。」
・・・チャンミンは、
そう言う人間の側だったのかな。
そんな風に考えてその仕草を
見つめていたら、
見つめていた口が、
コーヒーカップから口を離すと、
続けて話し出した。
「1人だけ。
その吹き溜まりの場所に
似合わない人が。
誰にも無駄に愛想を振るわずに。
黙々と肉を焼くオンナが、
真ん中の
バーベキューコーナーにいる。
・・・ドレスは着ているから、
どうやら彼女も給仕として
招集されたクチらしい。」
「・・・あ。私か。」
自分を指差して言う私。
それを見ながら頷くチャンミン。
「それが第一印象です。
黙々と肉を焼く、ドレスを着たオンナ。」
「・・・だって、
誰も焼かないから。」
あの時は仕事に熱中してたけど。
余ったらお肉、勿体ないし。
そうやって改めて言われたら・・・。
私こそ切実に
顔を売らなきゃいけなかったのに。
何やってんだろ。
ちょっと恥ずかしくなって
そう言う私にチャンミンは笑っている。
「・・・まぁ。
とても印象的でした。
綺麗な子だな。
そう思って。
暇を持て余していた俺は
肉を焼くオンナを観察をしていました。」
そう言い、話を続けた。
・・・・・。
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ゆうたろう(プロフ) - かなさん» かなさん、ありがとうこざいます＾＾更新ぼちぼちですが、また読んでやって下さい。チャンミン彼女には甘々なイメージありますよねぇ。フフフ… (2019年2月23日 8時) (
レス) id: 2bba9131ef (このIDを非表示/違反報告)
かな - ときどきやってきて、読ませてもらっています。チャンミンにキュンっ (2019年2月20日 23時) (レス) id: e04eb6e781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうたろう
| 作成日時：2019年1月19日 0時
