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Aside
キヨが部屋を出て必然的に足枷が取れて逃げるなら今だと思った
でも私の足は動かない。震えている
それを紛らわすため1本タバコを取る
私は色んなものに化けてきた
演じてきた
時には純粋な女性、時には夜の蝶に
こんな行為だってお手の物だった
冷静に仕事をこなしてきた
「私は弱くなった」
私の声は虚しく響いた
本当は私は強くなかったのかもしれない
他人に化けて自分自身を守っていた
____今の私は？
誰が守ってくれるの？
キヨ「俺が守ってやる」
タバコの煙を吐き出した先にはキヨがいる
「え？」
キヨ「全部声に出てんだよ。タバコの火、消せ」
私は言う通りタバコを火を消した
キヨ「本当に悪かった。Aのこと傷つけるつもりはなかったんだ」
キヨはすごく申し訳なさそうに謝る
「どうして？」
私は涙が出そうだった
キヨ「フジとヒラの異変に気づけなかった俺も悪いし、謝るのは当たり前だろ？」
キヨは下に俯きながら悔しそうに言葉を出した
そんな言葉が聞きたいわけじゃない
「違う、キヨはどうしてそんな優しいの？」
キヨは驚いたように顔を上げた
「狂った2人とは違う。キヨは狂ってるフリをしてるだけじゃない」
キヨは口元に笑みを浮かべた
キヨ「全部気づいてたんだ、さすが闇の蝶だよな。人を見抜くのが上手い」
キヨはいつもと違うどこか“闇の蝶であった私”と似た瞳を見せた
キヨ「Aに惚れたって言ったらどうする？」
キヨは妖艶にほほえんだ
私はずっと引っかかっていたキヨの何かが分かった気がした
「私もって言ったら？」
キヨは私を抱きしめた
キヨ「あんなことあったばかりで、悪…」
キヨの言葉を塞ぐようにキスをした
「キヨの謝罪の言葉はもう聞きたくない」
キヨはフッと笑って私に、前に寝たフリをして見たあの優しい目を向けた
キヨ「A、綺麗だよ」
そう言って私を押し倒した
さっきまでみたいに怖くない
キヨの優しさ
キヨの目
キヨの笑み
私に引っかかっていた何か
私はいつの間にかキヨにおちていた
今の私は1人を愛する普通の女と変わらない
今まで見てなかったキヨの二の腕には、赤のハートが彫られている
「んっ…なにこれ」
そういえばフジには紫のダイヤ、ヒラには緑のクローバーが二の腕に彫られていた
キヨ「気にすんな」
キヨの言葉に素直に従った
_______キヨ「A、愛してる」
優しく幸せな気持ちが私達を包み込んだ
そしてキヨの言葉で私はフラッシュバックした
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ゆゆ - これは1つの私の答えです。彼女の最期など皆様の答えは違うと思います。是非お聞かせ下さい (2020年4月30日 16時) (
レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - サム達を残して逝ってしまう悲しさ不安さがどこかにあり、満月は彼女の気持ちと同じく暗闇に隠れてしまいます。彼女の壮絶な人生と狂った恋愛を許してしまうそんな世界を現しているのが月の光。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 解説です。月の光は楽しくもあり悲しくもあるどちらともいえない曖昧な世界を表現した曲と言われています。サムと過した日々は楽しいですがキヨの想いが彼女を苦しめたためにどちらともいえないと発言しています。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 孤黒さん» ありがとうございます！その言葉全てが嬉しいです！マイペースすぎて進まないですが最後まで最善を尽くしてこだわらせてもらいますのでよろしくお願い致します！ (2020年4月23日 15時) (レス) id: f9b5f66733 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 完結おめでとうございます！こんな感じのお話を読んだのは初めてでした。とっても面白かったです！最後まで雰囲気を崩さない所とか、素晴らしいなぁと感心しております。「唐紅」の方も楽しみにさせて頂きます！最後まで応援しております！ (2020年4月19日 23時) (レス) id: 785222cc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ | 作成日時：2019年8月30日 1時
