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◆29 ページ30

『半間、半間』



半間に近寄り、頬をぺちぺち叩く。
駄目だ、完全に気失ってる。



「半間さん…?」

「半間さんが一撃…!?」

「逃げろ、殺されるぞ!!!」






芭流覇羅のメンバーが続々と逃げていく。
そんな背中を私は眺めていた。


マイキーは座り込んでいる一虎を真っ直ぐ見据えている。







「人は誰しもが裏切る…。
終わらせようぜマイキー。テメェが死ぬか、俺が死ぬかだ」



しかし、一虎はマイキーに殴られた。



「大事なモン壊すしか能がねぇなら、
オレがここで…壊してやる」


今度は一虎の頭を蹴り、
ゆっくりと倒れた一虎に近付いていく。



「壊す事しかできねぇならよぉ、
オレが壊してやるよ、一虎」









マイキーは、ひたすら一虎を殴り続けた。









「マイキー…」

「マイキーが一虎を…殺しちまう!!」

「もう誰も、マイキーを止められねぇ」





一虎を殴り続けるマイキーの姿が、
いつしかの父親のように見えた。

ただひたすらに、邪魔者を殴る。



私のした事は、間違ってないと思ってる。
だけど、マイキーにまで、同じ道を辿って欲しくない。









「マイキー」

「場地…さん」




倒れていたはずの場地が、マイキーの名を呼んだ。




「マイキィィ!!」



場地はフラフラと立ち上がった。


「オレの為に…怒ってくれて…ありがとな」

「場地君っ!?」

「動いちゃダメだ場地さん!!!」




腹部から血を流しながら、
場地はマイキーの元へゆっくり歩いていく。




「オレは死なねーよ、こんな傷じゃあ。
オレは死なねー!!」



死なない、なんてどんな保障があって言ってるんだ。
その出血量じゃ、場地は……



「気にすんなよ、一虎。
オレは……一虎(オマエ)には殺られねぇ」









 









自らの腹部を、ナイフで刺した。

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重岡ゆう毅(プロフ) - ありんこ。さん» オチはまだ正確には決めてませんが、マイキー寄りにはなるかと思います! (2021年8月28日 18時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
ありんこ。 - これってマイキーオチですか? (2021年8月28日 11時) (レス) id: 568604ada5 (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - ななつじさんさん» ななつじさん、コメントありがとうございます!すみません訂正しますね(*_*) (2021年8月25日 0時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
ななつじさん(プロフ) - こんばんは 面白く読ませてもらってます!誤字見つけたので失礼します お名前なのですが「稀崎」じゃなくて「稀咲」ですよー! (2021年8月24日 23時) (レス) id: 123c3d7a14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:重岡ゆう毅 | 作成日時:2021年8月19日 22時

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