コード・ブルー III

◎はじめまして ページ12

ふと、思い出すことがある。


私たちが、フェローだった頃のこと。




初めて会った時は、

こんなに仲良くなるなんて思ってなかったなぁ。







みんなと初めて会ったのは、


空が綺麗な、



ある晴れた日のことでした。






_______________________________





黒「今日からここで研修医として働く、
フェロー五人を紹介する」



私たちフェローは、

ずらっと一列に並んだ。



藤「藤川一男です！早くヘリに乗れるように
頑張ります！よろしくお願いします！」



この人は多分なかなか乗せてもらえないな。



緋「緋山美帆子です。
みなさんの役に立てるように頑張ります」



すっごい笑顔… なーんか猫被ってそうだなぁ。



白「白石恵です。
ご迷惑をおかけするとは思いますが、頑張ります」



この人はなんか頼りなさそう。



冴「冴島はるかです。
ナース志望ですが、よろしくお願いします」



この人はしっかりしてるけど、プライド高そう。






… おっと、自分の番か。



『AAです。よろしくお願いします』







________ え、それだけ？



と、うっすら隣から聞こえた。


何よ、ちゃんと挨拶したっての。



ほら、別に先生方も普通だし。


… 黒田先生だけは凝視してくるけど。





と、隣にいた男の人が声を発した。



藍「藍沢耕作です。
誰よりもいい医者になります」



そう、言い切った。


よく言うよ、と彼の顔をちらっと見た。






その瞬間、


体に電流が走ったような、



そんな感じがした。







彼の目は、


だれよりも、真面目だった。



先生方も、驚きながらも、

期待の眼差しを向けていた。















この日、初めて同期と会った。




そんな彼らの印象は、









『頼りなさそう』だった。





彼……










藍沢耕作を、除いては。

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