成仏させてクレメンス【男主】 (ページ15)

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15話ページ15

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A、さんについて、

調べてたはずなのにいつの間にか地下に向かう扉の前に立っていた。

もちろん鍵がかかってて入る事なんて出来ない。
なのに、

エーミール「開けなきゃ…」

何かに取り憑かれたかのように前に進もうとする。

鍵がかかっていたはずなのに階段を降りてく。

トントンさんに早くAさんの事を伝えに行かないといけないのに。

Aさんがどんな人でここで何があったのか、
全部じゃないけど見つかったんだ。

そしてそれを絶対にトントンさんに伝えなければならない。

非常に薄暗い地下。
どこかに進む足を止めよるとするもどんどん進んでいく。

エーミール「嫌だ…っ、嫌だ嫌だ」

その時、教会の鐘が鳴り響く。
17時を知らせる時の鐘。

戻らないと。
食堂に皆さんが移動してくる。

エーミール「っ」

足が勝手に進み向かった先には茶髪の10代くらいの男の子。

浮いて丸まって全体的に透けていた。

すぐに誰なのか分かってしまった。

エーミール「A…さん、」

名前を呼ばれ目を覚ますA。
ぼーっとエーミールを見つめ、

パッと驚いたような顔をして表情が柔らかくなる。

「…えと、何で地下に……あの、トントンに地下禁止って…」

トントンさんの事を知ってる？

それにこっちに話しかけてきてる。
幽霊、だ。

「絶対に僕に触れないでください。先にいなくなったロボロとゾムのようになりたくなかったら…」

ロボロ？ゾム？

トントンさんもそんな名前を言っていたような。

Aと見つめあっていたら、

足元に違和感というか重みが。

絡みつく真っ黒な手。
何本もエーミールの足に絡みつき、

やがて手を引っ張られるように手首を掴まれた。

「またｯ…！近寄らんといてっ、また消えてまう…！！」

そんな事言われても身体が動かない。
抵抗できない。

エーミール「A、さん、はｯ…ここの富豪の息子の次に死んで、富豪に殺されたんですよねｯ…」

口は思うように動く。

チラッとAを見ると、

「＿＿＿＿＿」

表情に生気が消えた。

もしかして、Aさんがここにいる理由は、

エーミール「富豪に殺された事と、未練が思い出せないから＿＿＿＿」

プツンｯ