成仏させてクレメンス【男主】 (ページ14)

今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:48,241 hit

14話ページ14

.

急がな
急がな
急がな
急がな
急がな

早く行かなきゃエミさんが記憶からおらんようになる…！！！

トントン「っ、な、何で鍵かかって、」

そもそも俺が鍵もってんのに入れるわけが無いのにエミさんは入ってった。

入ったところを兵達は見てるっ、

鍵が空いてたとしても何で鍵かかってんねん…！！

焦りが手に伝わってうまく鍵を解除出来ない。

やっとこさ解除出来て階段を何段もすっ飛ばして地下に着いた。

トントン「ｯ」

冷たい地下の床に横たわるエーミール。
手の先が透けて今にも全身が消えそうになっていた。

トントン「えみ、っさん、、！」

まだ身体に触れられる。
まだ消えてない。

まだ助かるかもしれない。

トントン「お願いやｯ…消えんとってっ…」

温もりがあった手はどんどん冷たくなってゆく。
まるで死んでくような、感覚。

ｺﾞｫｰﾝ、ｺﾞｫｰﾝ、ｺﾞｫｰﾝ、ｺﾞｫｰﾝ、ｺﾞｫｰﾝ

鐘と共に現れた月の光に照らされ透けて見えるAの姿。

薄らと開かれる目はトントンとエーミールを映す。

「…」

出会った頃とは違う、

無機物になったような、中身のないA。

焦るトントンの額から頬にかけて汗が一滴垂れてく。
冷たくなってきたエーミールと焦るトントンを見て、

汗ばんだトントンの頬を冷たく透けた手が包み込む。

トントン「ｯぁ」

消える＿＿＿＿＿、

目を瞑り現実から背こうと目を逸らした。

どうなったか分からない。
消えた感覚が分からない。

恐る恐る目を開ければそこは、

トントン「……え」

目を大きく開ければいつもの天井。
起き上がり扉を出ようとドアノブに手をかける。

ロボロ「エーミールの事助けられんくてごめんってAが言うとった」

後ろを振り返っても誰もいない。

トントン「…何でなんｯ」