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むかしノ歌・II ページ6

___夕暮れと赤色。

夜空が血で染めあげられてゆく。




蝶を追ったはずのハルトの目線は、その異様な空の風景に奪われてしまった。

「あ、あれ...」

ミューノがハルトの様子に気が付き空を仰いだ。彼女は目を見開き、顔をあっという間に絶望の色へと変える。

「...お兄ちゃん!!逢魔ヶ時だよ!!逃げなきゃ!!」


それは彼にとって聞き覚えのあるものであった。

御伽噺に出てくる、昼間と夜の境目。
そして、あの世とこの世の境界線が曖昧になり、バケモノが蠢く終末の刻。



逢魔ヶ時。




「子供は帰る時間よ」

嘲笑を含んだ女の子の声が聞こえた気がした。



___哀れな子供に退路はない。

※かけらノ歌・I→←むかしノ歌・I



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作者名:冬目 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/  
作成日時:2017年10月17日 1時

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