俺、ベビーシッター始めます。2【YG】

【.】 ページ32

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SR「刺さるも何も、本当の事だけどね。」



YG「そうだけどさ…」






もっとオブラートに包んで優しく言って？




へっ、と鼻で空かした笑いをするコイツに

どうか災難な事が訪れますようにと心の中で願う。









『…まぁ、ゆんぎの家は一般人にしては広くて、綺麗で、おしゃれな家だよね。』



YG「え、何？喧嘩売ってる？」



SR「よかったね。褒めて貰えて。





でもまぁ、１つや２つぐらい変な家具置いとけよって、今凄い思ってる自分がいる。」



『あはは、確かに。』



YG「何が“確かに”だよ。」









白けたような冷めた目をしてぽつりと呟いた言葉に、ケタケタと笑うニナ。



くそ、笑い方がまだ幼い(可愛いって略)








話が大分脱線してたところで
ニナがずぞぞぞっと音を鳴らしてジュースを吸うと


ぱっと静かになる。


…なんでだろう。









『さっきの続きだけど…』



SR「おぉ、何か違う話してたね。」



YG「4分の3お前のせいだからな。」



SR「ほぼやん。」



















…サランと俺の小競り合いなんかはともかく。


気を取り直して、ニナの話を聞く。



















『さっきも言ったけど、ニナは楽しくて幸せな生活を毎日送ってたの。家族3人でね。


でも、』







『やっぱり、有名ってなると大変になる。





ママは毎日舞台の練習で夜遅くて。海外に行って、公演するときもある。



パパは色んな人と打ち合わせみたいなのしてて、原稿を書くために必死。』



SR「え、家族3人で楽しく過ごしてたんじゃ…」



『それはまだ有名になってないとき。



パパもママも、だんだん有名になっていった人達。



最初から、“有名人”ってわけじゃない。』









うつ向きがちで語るニナの表情は、よく見えなくて。


もう空になったはずのジュースを両手で掴んだまま、ストローを口に含んでいる。



















『…朝も、昼も、夜も、一人。



ご飯は広い部屋で一人で食べて、



お風呂なんかはお手伝いさんがみはってる中入るの。



3人分のベッドがある真ん中のベッドで、真っ暗な部屋で、静かにねむる。』



SR「…ニナちゃん…」



YG「…だから、俺んとこ来たのか。」



『…うん。』









ニナの顔を覗きこむように聞くと、ぱっと顔を上げて小さく頷いた。

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