とらびす紅一点ものがたり[K.Mi] (ページ13)

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キミに落ちたキッカケ(回想) side.Chaka ページ13

．(宮近side)

ずっと嫌いだった。
女のくせに事務所に入って、すぐグループに入れて。

俺たちが何年もかかった道を、一瞬で。
そのくせ全て未経験というじゃないか。

＿＿＿＿＿＿＿そんな考えだった俺が、周りが心を許していくのを見て、絆され始めた頃。

3人が加入して2年近くほどたった8.8の、あの日……
一緒にジャニーズJrのトップを張っていた2組が、同時デビューすることが発表された。

悔しくて、楽屋に戻ってから泣いた。
ずっと、ずっと泣いていた。
一通り泣いて心が落ち着いて帰る準備をしていたとき、隣の空き楽屋から声が聞こえた。

宮原だった。
その隣には松松もいて、3人で泣いていた。

みんなでいる時は泣いていなかった宮原までもが、だ。

覗いているとこんな声が聞こえてきた。

「悔しい……っ、私のせいだ、私なんかがトラジャに入ったから……」
げん「そんなことない、Aだって頑張ってたじゃん、それに、俺達も俺達なりにみんなの足引っ張らないようにしてきたじゃん……」
くら「しょうがない事なんだよ、きっと……だからさ、俺達もここから頑張ってあの2組みたいになろうよ！」
「っ、うん…わたしも、女だから、女のくせに…って言われないように、もっと頑張らなきゃ……うぅ〜〜〜〜〜〜、でも、悔しい……」

加入してから初めて見た、宮原の涙。
いくら俺が強く当たろうとも、悪口を言われようとも、ライブで嫌なことを叫ばれようとも、笑顔しか見た事がなかった。

この子とならやっていけると、確信した日だった。

．

この時期降りてたので8.8にわかです(WS見てたくらい)
素顔4も見れてませんごめんなさい