25.お前どこ中だよ YG side ページ25
※YG side
自分で頼んでおいてなんだが、って話だ。
髪を染め直し伸びた所を少しカットして、ついでにいつものヘアメイクをしてもらう事になっていたのですよ。←
あ、わりぃ。
今すげー焦ってるわ。
カメラが回される四時間前に、今回Aヌナの為に作られた会社のヘアメイクルームに入ると……
俺の中で非常事態宣言が発表されていたからだった。
YG「A's Salon……」
ドアの前に飾られていた表札が、今更になって感想のように口から溢れる。
そこはまるでAヌナの自宅のような……
いや行った事はないから知らないけど、とりあえず入った途端にいつもの甘すぎず爽やかな香りがして、なんかこうヌナにフワッと抱きしめられたような気がしてソワソワしてる俺。
客観視するとだいぶ気持ち悪いよね俺。
見渡せばシンプルなんだけど、ちょいちょい拘りが窺える白とグレーの部屋。
アクセントにちらほら紫があって、ラグジュアリーな空間だ。
部屋のあちこちからAヌナのセンスが手に取るように分かる。
思春期の中坊のように、初めて女の人の部屋に入ったどきどき感が俺の中を占めていった。
( やべー。俺めっちゃ挙動不審。 )
ライト付きの大きな鏡の前に幾つもの化粧品。
整理されたメイク道具。
壁にはブランドのロゴのポスター。
シャンプー台も完備され、奥には応接間のようなテーブルとソファーに、Aヌナが仕事するためのパソコンが置いたデスク。
Aヌナはまだ来ていないようで、間もなく約束の時間になろうとしていたが、非常事態宣言は解除されることは無い。
さらに警告のサイレンさえ鳴り響いていた。
仮にもマンネの彼女になったかも知れない女。
俺が密かに思い続けた人の部屋。
これから四時間弱二人きりになる状況。
あんな態度を取ってから久しぶりに会う気まずさ、がある。
( どうする、俺！！ )
______________________________
26.こいつぁうっかりだ YG side→←24.冷戦時代の幕開け
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kee x他1人 | 作成日時：2018年9月16日 23時
