確信を持った問いかけ ページ38
「珍しいですね。あなたが部屋に入って来ないなんて」
「オレだって空気くらい読めるさ」
少し拗ねたように口を尖らせるメリオダス様に小さく笑みを溢した私は窓枠から腰を上げてどこか影がある彼に近寄る
「シリルとは有意義な時間が過ごせましたか?」
「ああ」
「それは良かった。でも、何かありましたか?」
顔を上げ、私の両肩に手を置いたメリオダス様の瞳には強い意志と覚悟が宿っている
「これからは、お前を幸せにする」
「……え?」
メリオダス様の宣言に意味が分からず、私は目を瞬く
「シリルに言われたんだ。お前は、オレの幸せを願ってるって」
「それは……」
何もかもがどうでも良くなっていた私に"希望,,を与えてくれたのはメリオダス。だからこそ、彼の幸せを願っている。メリオダスが幸せなら私も嬉しいし、彼が哀しいならその哀しみをどうにかしたい
「だから、今度はオレがお前を幸せにする。オレが、お前が幸せになれる世界を作る」
「…私は、もう幸せですよ」
嘘は言っていない。辛いことも苦しいことも痛いことも哀しいこともたくさんある。けれど、私は自分が不幸とは思わない。経済的にも能力的にも容姿も、人だって、ずっとずっと恵まれている。だから、不幸とは思わない。ただ、時々"自害して、早く楽になりたい,,という衝動に駆られる時はあるけれど
「お前の
まさか見抜かれているとは思わず、反射的にビクッと肩を揺らす
「オレとエリザベスを信じるのが怖いって言っていたよな。自分はいつも切り捨てられるから、って。オレは…エリザベスかユーリ、どちらかを見捨てなきゃならねえ時、多分お前を切り捨てるんだと思う」
ずっと昔から分かっていた。メリオダスが、何に於いてもエリザベスを最優先にすることくらい。けれど実際に本人から言われると胸が張り裂けそうなくらい痛む
「…だから、私をエリザベス王女と重ねて見ていたんですか……?」
怖くて仕方がなくて…カタカタと体が震える。それでも唇には"慈悲深い女神の微笑み,,と言われる笑みを浮かべる。浮かべて、しまう。反射的にやってしまうことで一種の癖とも言うべきもの
私の確信を持った問いかけに対し、大きく目を見開いたメリオダス様は悔やむように唇を噛んだ
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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます!今読みました。これからも面白い小説頑張ってください!応援してます! (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月3日 22時