国王陛下と王女の愛 ページ30
「マリーさん、落ち着いて」
イヤイヤと駄々をこねる幼子のように私の腕を振り解こうとするマリーさんを一層強く抱きしめる
「大丈夫、大丈夫よ。言ったでしょう？あなたが道を踏み外すことなく償いをしていれば分かってくれる人はいるはず、って。何も怯える必要はないわ。不安な気持ちだったり、信じきれない気持ちは簡単には消えない。でも、大切な人たちはいつだってあなたの傍にいてあなたを支えてくれるわ」
こんな私にも、傍で支えてくれる人たちはいる。辛い時、悲しい時、嬉しい時、楽しい時…まだ感情を曝け出すのは怖いけれど、彼らは私を受け止めてくれる。だから、信じられる
「マリー」
魔力の暴走が収まり、落ち着きを取り戻したマリーさんは国王陛下に名を呼ばれるとビクッと肩を揺らした
「は…はい」
緊張と恐怖のあまり、声が裏返るマリーさん。そんな彼女に苦笑した国王陛下は、怯えるマリーさんの頭を優しく撫でた
「儂も娘たちも、お前を大切な家族だと思っている。だから、そんなに怯えずとも良い」
「国王、陛下……」
国王陛下の柔らかな眼差しと表情に安心したのか、マリーさんは私の胸に体を預ける
「ほら…大丈夫って言ったでしょう？」
「酷いこと…言ったのにどうして……」
「マリー、もし良かったら私や姉様…父上に辛かった出来事を話して下さい。何があっても互いを信じてあげるのが家族でしょう？」
「エリザベス、王女……」
にこっ、と優しく笑ったエリザベス王女の微笑みを見て、マリーさんは顔を歪めて涙を流す
「ごめん、なさい…っ…ごめんなさい……っ！」
「いいえ、私の方こそごめんなさい。マリーのこと、分かっているつもりだったけれど何も分かっていなかった」
マリーさんから離れた私と入れ替わるようにエリザベス王女がマリーさんを優しく抱きしめる
「エリザベス、王女はっ…悪く、ありません……！」
過呼吸になりそうなほど泣きじゃくるマリーさんを優しく撫でるエリザベス王女は私の視線に気づき、小さく頷いた
マリーさんはもう大丈夫ね。残る問題は……
異空間の限界を察知し、空を見上げた私。それと同時に箱が壊れ、中から出てきたアデライドとフォスター公爵は怒髪天を衝き、憎悪のこもった瞳で私を睨んでいた
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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (
レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます！今読みました。これからも面白い小説頑張ってください！応援してます！ (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アストライアー | 作成日時：2021年7月3日 22時
