〜看板娘と王女の秘密のお話〜 ページ38
「エリザベス王女、ご心配をおかけして申し訳ありません」
お風呂から上がり、部屋に戻ると寝巻き姿のエリザベス王女がベッドに腰掛けて本を読んでいた
「ユーリが無事なら良かったです」
「考え事をしていると周りが見えなくなってしまう癖があって…私の悪い癖ですね」
「ふふっ…変わりませんね。って…あら？ユーリ、その化粧品…〈アレグリア商会〉のものですか？」
ドレッサー兼机となっている木製のテーブルに置いてある化粧品を見てエリザベス王女は瞳を輝かせる
「はい。特に気に入っているのは、"ロゼッタシリーズ,,と"ロランジュシリーズ,,、それから"フルシュシリーズ,,ですね。大体、この三つをその日の気分によって変えています」
〈アレグリア商会〉は、旧イデアール聖王国に存在していた〈ノースポール商会〉を土台にして旧精霊王家の血を引く姫君のご夫君が立ち上げたもので、取り扱うものは家具や食器…服飾品…宝石…化粧品などの生活日用品…食品まで幅広い為、王侯貴族はもちろん平民にも大人気の大商会だ
「確か…アレン様の奥方様は、旧イデアール聖王家の血を引く姫君でしたね」
「はい。一度だけお会いしたことがあるのですが、お顔立ちはもちろん、光の加減で変わる瞳は虹のようでとても綺麗でした」
"ルティ姉様の瞳は、虹みたいで綺麗よね！,,
「ルティ、姉様……」
どこかで聞いたことがあるような…でも、どこで聞いたんだっけ？思い出せない……
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿ユーリ？」
エリザベス王女に名を呼ばれ、はっ、と我に返った私は反射的に笑みを取り繕う
「あ…ごめんなさい。少し考え事をしていて……」
人が話しているのに別の考え事に集中するなんて我ながら失礼極まりないことをした。相手が王女だろうと何だろうと失礼すぎる
「いえ。明日も早いですし、そろそろ寝ましょうか」
「そうですね」
「…ユーリ」
「……はい？」
「父上が言っていました。"あの時、助けられずにすまなかった。儂たちは、今でもお前を家族として愛している,,…と。だから、いつでも頼っていいんですよ」
「…ありがとうございます」
けれど、きっと私はエリザベス王女を頼ることはないだろう。王女の気持ちはとても嬉しくて…同時に哀しくなるから。そんな気持ちでエリザベス王女に頼っては、王女の純粋な好意を汚してしまう。そんなこと絶対に許せない
私は、王家の方々の気持ちを純粋に喜べない自分に嫌悪感を抱きながら眠りに就いた
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鈴 - 名前固定ならそう書いていた方がいいと思います。気にはなりましたが名前固定だと読む気失せる人もいるので。 (3月8日 7時) (
レス) id: 8354ac6e82 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» 追記です。ユーリという名前にも一応理由があるのでそのようにしています。…いつ明かすかはまだ決まっていませんが (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» はい。名前を変えたら私がちょっと分からなくなるので……。ご不快でしたら申し訳ありません (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
天乃みな(プロフ) - これって名前固定なんですか？ (2021年9月29日 20時) (レス) id: ec35f73fd4 (このIDを非表示/違反報告)
yuu11da(プロフ) - オリジナルフラグは取れているでしょうか？もし、宜しければご意見をお聞かせ下さい (2021年5月25日 18時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アストライアー | 作成日時：2021年5月25日 18時
