〜王女の思い〜 ページ32
「ユーリ……」
村でユーリが倒れてから早２日。彼女は、〈豚の帽子〉亭のベッドで眠っている
「気になるか？」
「メリオダス様……」
いつもと変わらないメリオダス様は、スタスタとベッドに歩み寄ってユーリの髪を撫でた
「ユーリは…どうしてしまったのでしょうか？」
ユーリが倒れたあの時、私の知る限りでは何も問題はなかった。それなのに倒れてしまった理由は何なのだろうか？
「記憶に関することだろうな」
「もしかして、記憶が戻りかけているのですか？」
「そこまでは分からねえ。けど、あの場で起きたことがユーリの失った記憶に触れたのかもしれねぇな。だから、ユーリは失った記憶を思い出しかけて倒れた」
メリオダス様の冷静な分析は確かに的を射ている
「私…後悔しているんです」
「ん？」
「11年前、一瞬でもユーリが私を殺そうとした犯人だと思ったことを」
判決が下されたユーリが国外へ連れて行かれる日。私たち王族は、馬車に乗り込む前のユーリに会えた。会えたと言っても怒る民の前に公開処刑のように引き摺り出されたような状態。白の簡易ワンピースを身に纏い、両手に木製の手錠を填められたユーリは、私たちに気がつくと、諦めと哀しみ、そして安堵が宿った笑みを浮かべた
"マーガレット王女、ベロニカ王女、エリザベス王女、国王陛下の庇護の下、お健やかにお育ち下さいませ,,
足をクロスして完璧なカーテシーを執ったユーリは父の前で跪いた
"国王陛下、此度の件につきましてはご迷惑とご心配をおかけしましたこと、謹んでお詫び申し上げます。特に、陛下のご息女であらせられるエリザベス王女には大変なご迷惑をおかけしてしまいました。故に、陛下より下された沙汰を謹んでお受けしたく思います故、私に仕えてくれていた者にはどうぞご温情を賜りたく存じます,,
５歳とは思えない言葉遣いと思考、立ち振る舞い。それらは全て、私には持つことができないもの。だからこそ、私はユーリに憧れを抱いている
私たちから引き離されたユーリが馬車に乗るまで、彼女には怒れる民たちから石が投げつけられた。馬車に乗る頃にはボロボロになってしまったユーリは、それでも泣くことはなかった
「今でも思うんです。あの時、私がユーリを信じてあげれば、ユーリは今でも私たちと共に過ごしてくれたのではないか、って……」
「エリザベスが責任を感じる必要はねぇよ」
優しい声で静かに告げるメリオダス様の瞳は、少し遠くを見ていた
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鈴 - 名前固定ならそう書いていた方がいいと思います。気にはなりましたが名前固定だと読む気失せる人もいるので。 (3月8日 7時) (
レス) id: 8354ac6e82 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» 追記です。ユーリという名前にも一応理由があるのでそのようにしています。…いつ明かすかはまだ決まっていませんが (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» はい。名前を変えたら私がちょっと分からなくなるので……。ご不快でしたら申し訳ありません (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
天乃みな(プロフ) - これって名前固定なんですか？ (2021年9月29日 20時) (レス) id: ec35f73fd4 (このIDを非表示/違反報告)
yuu11da(プロフ) - オリジナルフラグは取れているでしょうか？もし、宜しければご意見をお聞かせ下さい (2021年5月25日 18時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アストライアー | 作成日時：2021年5月25日 18時
