〜大団円のその後〜 ページ31
「御機嫌よう、騎士様方。あなた方の大切な聖騎士様の忘れ物でしてよ」
イメージする王女の口調で騎士たちに告げると、彼らは投げられた聖騎士の剣を持って慌てて逃げていった
「逃げるが勝ち、っていう言葉もあるけど…あれは
"敗走,,って言葉が似合ってるよね」
「すごいです、ユーリ!そんな力があったんですね!」
「いや、あれは火事場の馬鹿力というかなんというか……」
キラキラと輝くエリザベス王女の瞳は、陽の光に反射する澄んだ海のように綺麗で。その瞳が王女自身の
「ねぇ…姉ちゃんは、もしかして……」
「私は、ただの酒場のウェイトレスその1だよ。それより、あなたにはやらなきゃいけないことがあるでしょう?」
ミードくんが振り返った先には、バツが悪そうな顔をした村人たちがいた
「ミード…その……すまなかった」
「俺たちを許してはくれないか……」
「フンッ…ゆ…許すとか許さねー、とか…おれは別に一人だって……」
「大丈夫だよ、ミードくん。みんな、ミードくんが大切なんだから。ね?」
「看板娘の嬢ちゃんが言う通りだ」
「ミード」
「ミード」
村人たちに優しい声で名を呼ばれたミードくんは、泣きながら大切な家族の元へ駆けて行った
「どんなウソついたって、自分の心だけは騙せねえんだぜ」
そう呟いたメリオダス様の横顔がとても切なくて。私の脳裏に何かが過る
"…エリザベスを狙ったのは……っ,
"何故だ、ですか?,,
苦しそうに顔を歪めているメリオダス様に淡いミントグリーンのドレスを着た私によく似た女の子が柔らかく…けれども、諦めや哀しみを宿した笑みを浮かべている
「っ……!」
「ユーリちゃん?大丈夫か?」
「大丈夫……っ」
全然大丈夫じゃない。頭が割れそうなくらい痛い。痛すぎて生理的な涙が滲む
"あいつに…何の恨みがあるんだよ……,,
「恨、み……?」
"…あなたには、分からないでしょうね,,
信じて欲しい人に裏切られて生きることから逃げたくなる者の気持ちなんて。そう呟いた女の子の水色の瞳は光を失い、昏く沈んでいた
「大丈夫か、ユーリ?」
「どう、して……っ」
どうして、あなたがそんな
心配の色を瞳に宿したメリオダス様を見た瞬間、そんな思いが胸を占める。それを疑問に思う暇もなく、私の意識は暗転した
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鈴 - 名前固定ならそう書いていた方がいいと思います。気にはなりましたが名前固定だと読む気失せる人もいるので。 (3月8日 7時) (レス) id: 8354ac6e82 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» 追記です。ユーリという名前にも一応理由があるのでそのようにしています。…いつ明かすかはまだ決まっていませんが (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» はい。名前を変えたら私がちょっと分からなくなるので……。ご不快でしたら申し訳ありません (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
天乃みな(プロフ) - これって名前固定なんですか? (2021年9月29日 20時) (レス) id: ec35f73fd4 (このIDを非表示/違反報告)
yuu11da(プロフ) - オリジナルフラグは取れているでしょうか?もし、宜しければご意見をお聞かせ下さい (2021年5月25日 18時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年5月25日 18時