Re : sentiment

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母「 … 片付けてよね 」

『 わかってるって 』












散らかった部屋を見てギョッとした表情のお母さん


いつかは私も同じ表情をするのかも知れない 。













母「 とりあえずそれ全部洗濯してくるわ 」

『 うん 、ありがとう 』









持って帰ろうと思って纏めていた服を
両手に抱えて部屋を出るお母さん 。









私はもう一度 、箱の底に手を伸ばして 。











ゆっくりとアルバムを開けば
ずっと箱の底で眠っていた香りがする 。









自分のクラスのページを開くと仲の良かった子の他に

ツインテールにして毎日学校に来ていたあの子や
喧嘩っ早くて先生に叱られていたあの子 、
そして少し気味の悪かったあの子 ……














消えかけていた記憶を引っ張りながら
アルバムに手を添える 。









アユちゃん … 真くん …… そして 、佐藤優斗くん 。












優斗 、その名前に彼の顔が浮かんだけれど
彼とは全然違って ……




手中のアルバムに写っている佐藤優斗くんは
前髪が目まで掛かっていて固い笑顔で写っていて
どこか気味が悪かった 。














そういえば私 、佐藤優斗くんに
告白されたんだっけ … ？


あれ 、違う子からだったかな 。












『 うーん …… あんまり覚えてないや 』













クラスの集合写真では1人だけ横を向いてる佐藤くん


その目つきはまるで誰かを睨んでいるように 。









彼の目線を辿るように指でなぞってみたけど













母「 ちょっと 」

『 へっ 』









後ろから聞こえたお母さんの声に驚いて
目線の先に辿り着く前にアルバムをパタンと閉じた 。
















『 お母さん … 驚かせないでよ 』














1つ息を吐く私にお母さんは不思議そうにしながらも









母「 夕飯の支度手伝って 」









それだけ言ってはまた部屋を出て行く 。









私もアルバムを手にしたまま
お母さんを追うように部屋を出て









『 今日の夕飯 、何？』









手に持っていたアルバムを
鞄の中に突っ込んだ 。







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