検索窓
今日:132 hit、昨日:33 hit、合計:103,832 hit

手芸部 ページ33

三ツ谷に促され部室の隅に移動すると
今度は服を手渡された

薄ピンクのスカートに
差し色で2本の黒ラインが入ったチュールスカートと
オフショルのギャザーのついた黒いブラウス

ブラウスはショート丈のため
ロングスカートとはいえハイウエストで履けば
スカート丈はひざ下辺りのコーデとなる

A「可愛い。これどうしたの?」

三ツ谷「作った」

A「え!こ、え?これを!?」

三ツ谷「ああ。それ着てくれねぇか?」

A「え?私が?どういう事?」

三ツ谷「文化祭に出す衣装。手芸部では自作の作品を身につけて過ごして、活動をアピールしてんだよ。後は着るやつを見つけてサイズ調整するだけなんだけど、部員達には断られてな。悪いけどモデルを頼めねーか?」

A「私が!?でもそれは…」

モデルなんて初めての経験で
引き受けるのに躊躇する

三ツ谷「頼むよ」

悩むAの様子に
作業をしながら聞き耳を立てていた
部員達が口を挟む

部員1「このままじゃ部長モデルが見つかりません」

部員2「きっと似合うので着てください!」

部員3「部長が作った服、他の女子が着ちゃうかもしれないんですよ!」

部員4「こんな機会滅多にないですから、是非!」

部員5「私、先輩が部長の服着てるとこ見たいです」

部員達に詰め寄られ勢いに圧倒されていると
見かねた三ツ谷がそれを止めてくれた

三ツ谷「ストップ。皆落ち着いてな。別に無理強いするつもりはないから」

手に持つ服を見ながらAは考えこむ

確かにモデルなんて恥ずかしいし
私に出来るかは分からないけど…
でも三ツ谷君が作った服を
誰か他の女子が着るのは面白くない

三ツ谷「A、無理なら断ってくれても良いから」

A「私に着こなせるかどうか…」

部員1「じゃあ着てみましょう!」

部員2「さあ、試着室はこちらです!」

部員達の勢い呑まれるように
あれよあれよと試着室に入れられてしまった

戸惑いはあるが見れば見るほど
可愛い服に袖を通してみたい
気持ちが膨れ上がる

好奇心に負けて服を着てみれば
チュールをふんだんに使ったスカートが
フワッとして間違いなく可愛い

普段の自分ではこんなフワッとした服を
選ばないため似合っているのか全く分からない

試着室から出る事を躊躇していると
手芸部の部室が途端に騒がしくなり
女性の金切り声が聞こえてきた

そっと顔を覗かせると
柴崎が部室に怒鳴り込んできて
喚き散らしている

手芸部2→←あくる日の休日5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
202人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
- 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇‍♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。