現代の状況4 ページ7
三ツ谷君に促され玄関の外に出る
別れを告げ背を向けたところで
三ツ谷君に声をかけられた
三ツ谷「そうだ、タケミッチ。これやるよ」
手渡されたのは星の砂が入ったカメのキーホルダー
三ツ谷「それAとお揃いで持ってたキーホルダー。とっとと捨てようと思ってたんだけど、捨てらんなくてな。ちょうど良かったわ」
武道「俺、こんな大事なもん受け取れないっすよ」
三ツ谷「見てるとさ、思い出すんだよな。12年前、あの頃は良かったよな。大事な仲間達がいて、皆馬鹿みたいにはしゃいでさ。けど、ドラケンやAが死んで、大好きだったデザインもかけなくなって。自暴自棄になって、でも妹達の面倒は見なきゃならないから、とりあえず正社員として働いたけどさ、その妹達ももう社会人。俺の力は必要ないのかと思ったら、もう何もやる気が起きなくて、気づいたら今だよ。あの頃はまさか自分がこんな風になるなんて思ってなかったけど、人生って不思議だよな」
ハハッと乾いた笑いを浮かべる三ツ谷君に胸が痛む
三ツ谷「そんな顔すんなよ、タケミッチ。もう12年も前のことなんだ」
三ツ谷君が苦笑いしながら俺の頭を撫でる
その手が優しくて余計に涙が溢れてくる
三ツ谷「けど...そうだな...。もし、出来んなら『逃げろ』って伝えてやってくれねぇか？俺から逃げろってさ、Aに」
武道「え...？」
一瞬切なそうな表情を見せた三ツ谷君は
次の瞬間笑って俺の背中を押す
三ツ谷「なんてな！ほら、早く帰れよ。こっちまでつられんだろ！」
武道「伝えます！絶対伝えますから！」
手を振る三ツ谷君に宣言するように言い
俺は涙を拭いながらただひたすらに
ガムシャラに走り出した
走らずにはいられない気分だった
ーーーーーーーーーーーー
意味不明な事を叫んで走り去るタケミッチを見送り
何言ってんだと苦笑いする
思えば昔から唐突に
意味の分からねーことを言う奴だった
よえークセして一生懸命で
ひたむきにゼッテー折れなくて
タケミッチらしさに
あいつは変わらねーなと少し羨ましくなる
どう考えたって無理に決まってんのに
タケミッチならなんとか出来んじゃないかとか
年甲斐もなく考えてしまう
俺もまだまだ青くせぇなと
来客用にだしたコップを洗いながら苦笑いする
もう12年だ...
久々に昔の知人と話をしたせいか
少し昔の事を思い出す
『三ツ谷君』
あいつの声が聞こえた気がして目頭が熱くなる
そういえば...
あいつ、どんな顔してたっけな
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ち - 夢中で読んじゃいました！伏線の回収がすごい気がします！ストーリー性がはんぱないです！ (12月19日 22時) (
レス) @page28 id: 8589ec936d (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - れなさん» 最高に嬉しいコメントありがとうございます。自分なりに文章を試行錯誤中なので今後も書き方が変わっていくかもですが頑張って更新していきますね (2023年2月3日 14時) (レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高に好きです、、文才天才すぎます、、良ければ更新してもらえると嬉しいです！！完結までついていかせてください！！ (2023年2月2日 19時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 麗さん» コメント+ご指摘ありがとうございます。読み返しているつもりなんですがやはりチェックミスが度々あってすみません。修正しましたので、また変換間違いがありましたら教えていただけると助かります。m(_ _)m (2023年1月26日 6時) (レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 初めまして、一気読み最中です。 なんだか細かい所を初コメでお伝えしてしまうのが大変申し訳ないのですが素敵な物語な分勿体無いなと思うのでお伝えさせていただきますね。35ページの希咲と半間が~の所、稀咲ではないでしょうか？ (2023年1月25日 22時) (レス) @page35 id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2022年11月11日 3時
