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零「…は?どうせ姉ちゃんはここに居たって好きでもないやつと結婚されられるんだろ!?そんなの…」
反論する零。相変わらず優しい子でよかった。…でも。
『辞めてください、零。分かってます。そもそもこの屋敷の方々が許さないでしょう。そして私はここから逃げられませんから、安心してください。』
そう言った。
そうだ。私はこの庭を囲む塀からは逃げられない。
『…少し、1人にしてください。』
零達は部屋から出ていく。
あぁ、どうしてだろう。
逃げられない、そう分かっているのに、会いたいと言う思いは募っていくのだ。
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実弥さん、私はあなたに救われました。
…実弥さん、実弥さん!
あぁ、
『…会いたい』
そう、ぽつりと漏らした。
そんな事を言っても仕方が無いのに……
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「…俺もだァ」
…そんな彼の声が聞こえるなんて。
ばっと顔を上げると、高い塀から顔を出す実弥さん。
『実弥さん!?』
私が思わずそう叫ぶと、しっ、と人差し指を立てる。
塀からストンと庭の方へ降りた。
『ど、どうして、なんで、警備は!』
実「あァ?んなもん警備じゃねぇよ」
なんでもない事のように言う実弥さん。
私は、ずっと会いたかった人を前に、涙を流してしまう。
もう、驚きと嬉しさでどうにかなってしまいそうだ。
そんな私を見て、
実「ったく…ガラスの靴ぐらい落してけよなァ」
そう、ふっと笑う。
『…シンデレラ、読んでくれたんですか』
そんな昔の事、とっくに忘れていると思ったのに。
実「まァ、お前があこがれてたっつーからよォ」
良さは分かんなかったけど、と頭を搔く実弥さん。
確かに実弥さんがシンデレラを読むなんて、少し笑ってしまう。
実弥さんは真っ直ぐ私を見すえる。
実「なァ、お前はここにいた方が幸せかもしれねぇ。それでも、俺はお前の王子様になりたかったんだ。………俺ん所、戻ってきてくれるか?」
……そんなの決まってる。
『貴方と居ることが、私の一番の幸せです。』
少し泣きながら、それでも笑いながら、実弥さんの手を取った。
実「…よし、逃げるぞ。」
『ちょっと待ってください!』
私は実弥さんを呼び止める。
『たった1人の、家族がいるんです。』
私は零に置き手紙を置くことにした。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時