糖分41% ページ41
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家に帰ると、あかりが着いている。
玄関には、俺より小さい靴。
しかし、今日はいつもの様に駆け寄ってくる足音がない。
すごく嫌な記憶が蘇る。
前にもあったぞこういう事。
しかし前回と違うのは、自分に全く思い当たることが無いことと、静かに開く襖の音すら聞こえてこないということ。
実「…A?」
少し襖を開けると、そこには綺麗なAの足が…
…は?
俺はスパーンと最後まで襖を開ける。
実「A!?」
畳の上に倒れているA。
慌てて駆け寄る。
すると、可愛らしい寝息の音が聞こえた。
……なんだ、寝てるだけか。
俺はその場にへなへなと座り込む。
Aの事になるとすぐに焦るのは辞めようと心に誓う。
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Aの髪をサラッと撫でる。
いつ見ても、綺麗な髪だと思う。
発色の良い薄紅色の唇に、噛みつきたい衝動に駆られる。
あれ、こんな髪飾り付けてたっけ。
雪の結晶のモチーフがAにピッタリで、よく似合っている。
台所を見ると、もう夕飯の準備は出来ていた。
相変わらずの段取りの良さ。
しかし、完璧に見えて、どこか抜けている。
そんな可愛らしさに、男女問わず惹き付けられるのだろう。
俺もその1人なわけで。
いい嫁になるんだろうな、なんて、まだ存在しないAの未来の夫に嫉妬したりして。
じっとAを見つめていると、目を覚ました。
実「わりィ、起こしたか。」
まだぼーっとしているAは、やっぱり可愛い。
『あれ、実弥さん…?………いけない!私寝ちゃった…』
ワタワタと慌てるAに、微笑ましくなる。
実「これ、似合ってる。」
髪飾りにそっと触れてそう言ってみた。
…実は結構勇気を振り絞った。
不器用ながら、頑張ったつもり。
するとAは、少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに、
『ありがとうございます。これ、蜜璃ちゃんに選んでもらって…』
そう微笑む。
甘露寺もなかなかセンスいいな、なんて思う。
こんな平和な日常がずっと続けばいいのに、なんて、叶うわけない事を願った。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時