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今日は嫌な予感がしたんだ。
任務中も、ずっと胸がざわついていた。
任務が終わり、夜道を駆ける。
大嫌いな気配がした。
鬼だ。
さっきまで鬼を殺し続けて来たというのに、また出くわすとは。
あまり強い鬼じゃない。
さっさと仕留めてしまおう。
サッと鬼に近づき、日輪刀を握る。
俺はそこでもう1つの気配に気づいた。
人が、倒れている。多分女。
月明かりが女の顔を照らす。
俺はその顔を見て、目を見開いた。
実「……A?」
頭から血を流して倒れているのは、間違いなく自分の愛しい人、Aだった。
俺は目の前に鬼がいると言うのに、Aの方へ駆け寄る。
焦っていた。
柱としてあるまじき失態だ。
実「おい、!A!しっかりしろ!なぁ!A!」
必死に呼びかけるが返事がない。脈はあるから、気絶しているのか?
Aの肩を掴む手が震える。
「邪魔をするな!俺はその女を食う!美しい女を!お前はその後だ!」
そんな事をほざく鬼。
ハッと乾いた笑いが零れる。
実「テメェ…俺が誰だか分かって言ってんのかァ?」
そこまで言われて、やっと自分がしでかした事を知ったらしい。
「お前、まさか!柱!?」
ビキビキと音を立てて振り返る。
実「テメェが食おうとしたのはその柱の女だァ!!」
そう叫ぶ。
夜道で急に襲われたんだろう。
怖かったに決まってる。
俺がもう少し早く来ていれば。
鬼に向けたものなのか、自分に向けたものなのかは分からないが、怒りでどうにかなりそうだ。
どうにかなりそうなのに、驚くほど冷静だった。
鬼が逃げる隙も与えず首を飛ばす。
崩れ始める鬼の体にもう一突き刀を刺して見おろす。
実「もっと痛めつけて殺しても良かったんだぜェ?けど、今はAが最優先だからなァ。一発で死ねた事に感謝しろォ!!!」
それだけ言って、未だ倒れているAを抱える。
白い額に流れる赤い血が痛々しい。
実「ごめんな」
俺はそう呟いて、蝶屋敷に向かって走った。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時