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『しなずがわ、さん。貴方も珍しい苗字なんですね。』
実「あぁ。」
それは自分でも思う。自分と家族と親戚以外に不死川なんて苗字の奴に会ったことがない。
『不死川さんはいつもこの時間帯に来られるのですか?』
時間帯か。
別に意識したことなんて無かったが、思い返せばいつもこの時間だ。
実「まァな」
そんな時、厨房から店主が出てきた。
店主「おや?仲良く慣れたんかいな?」
厨房にいる間、俺達がずっと話していたとでも思ったのか、そう聞いてくる。
その目は少し期待が込められていて。
常連同士が仲が良いと言うのは、店としても嬉しい事なんだろうか。
とは言っても、俺はほとんど問われる事に応えていただけだ。
『仲良く…慣れましたか?私達。』
そんな事を俺に聞かれても。
俺はおはぎが食いたかっただけだ。それだけ。
それだけだったのに、
実「まァな。」
何故か俺はそう言っていた。
すると、Aが心底嬉しそうに微笑む。
あのふわっとした、優しい笑顔で。
こんな男と仲良くなれて、何がそんなに嬉しいのか。
店主「ほんま、べっぴんさんやなぁ…」
『またそんな事言って、何も出てきませんよ?……あら!もうこんな時間!そろそろ帰りますね。』
店主「お、そうか?また来てな!」
はい、とまた上品に会釈する。
それから俺の方を向いて、
『不死川さん、今日は楽しかったです。ありがとうございました。またお会い出来ると良いですね!』
そう言って帰って行った。
なんだかんだ、悪い時間じゃなかった。
店主「Aちゃん見てそんな普通にしとるんあんただけやで。」
居なくなるなりそういう店主。
実「何がだよォ」
店主「ほら、あんな美人でお上品で、人がええやろ?数年前にここの町に来たらしいんやけどな、そんときは偉い噂になったんや、どっかのお嬢様ちゃうんかって。」
実「そうかよ」
店主「そんな子と話してたんやで?あんた。」
何が言いたい、そういう気持ちを込めて店主を見る。
店主はニヤッと口角を上げて、
店主「好きになったりせんの?」
実「しねぇ。」
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時