青春は歯車のように【五奇人】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:20,318 hit

2* ページ2

それからというもの、レオはずっと私の側に居てくれた。

たまに居ないときはあるけど、彼がいてくれるなら何故か安心だと思うようになってしまった。
これが依存というのだろう

それから九年たったある日。

「なぁなぁA～。…おれと一緒の高校、行ってくれる？」

ぴらぴら、と何処で貰ったのか知らないパンプレットを風の流れにのって揺らすレオ。

頬ずえをして『Yes』という答えしか、望まないと言う風に濁っているエメラルドグリーンの瞳を見て、軽くため息をついた。

どうやら、無理矢理でも一緒にいるつもりらしいレオは、『王様の命令は絶対』と言う風に口元を軽く歪める。

そして、「あ、」と思い出したように吐きだされる言葉は更なる重りと化する。

「言っておくけど、おれは別にAが行きたくないならそれに従うから大丈夫。

すべてはAのため、おれのためなんだし、少しでも離れたくないもん。

…こんなに可愛いお姫様、おれが逃がすわせないだろ？」

答えはともかく、分かったことがある。

コイツは私から離れるつもりが一切ないらしい。

それどころか、成人しても離れなそうな雰囲気を出している。

これは…どんどんめんどくさくなるな、なんて予感がする。

そう思いながら決断した私は、軽く席を立って、彼のさらさらの黄昏色の髪を撫でる。

そうすると、どろどろに歪めていた表情を今度は目をそらせようとしないほど、私を視界に捕らえたまま離さないレオ。

そんな見慣れたレオに苦笑しながら、答える。

『…いいよ。レオが言うんなら、ね』

……___全ては我が王様のなすがままに。