赤と黒と人形少女【wrwrd!】【gr】 (ページ5)

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第3話｢見える距離｣ページ5

rbr視点

時を巻き戻して俺たちが｢家｣にたどり着くまでの道中の事

さっきまで楽しげに話していたゾムやコネシマからは楽しげな笑い声は聞こえなかった

基本的に声は出さずただ、おぶるのを交代すると告げる時のみ一人一人の声が聞こえる

そして、俺たちがなぜこんな何も無いところに来ていたのかグルッペンとトントン以外誰も知らない

それも、こんな何も無い荒野の砂漠で何時間も歩くとは誰も思っていなかった

この辺の荒野は敵国のミサイルにより全ての建物が消えたと言われている

でも、それも約13年も前のこと

辺り一体は砂漠でどこまで行っても同じような光景がずっと続いている気がしてくる

だけど、俺は途方もなく歩いている時に布越しでもうっすらと塔のようなものが見えた

誰もそのことを”口にしてない”ことを考えるとここにいる誰にも見えていなかったのだろう

多方あんな場所にたったひとつ大きな塔があればコネシマあたりが騒ぐのはわかっていた

けど、誰も騒がなかった

”あぁ、いつものか”そう心の中で考えながら歩く

グルッペンが背負っている女の子の髪が歩く度に僅かながら動く

下から見るその光景はどこか家族を思わせる

いや、名前も知らない女の子にもグルッペンにも失礼だと思い横目で見ながら歩く

そうしていると、女の子のノースリーブのワンピースの肩の紐がふわりと落ちる

俺は慌てて目をそらすが、気になってそっちを見ると目を疑う光景があった

女の子の真っ白の肌には合わない、青紫色のアザのようなものが顔をのぞかせていた

それを見た時、俺は誰かに伝えるよりも先にグルッペンに自分が変わりに運ぶことを告げるのが早かった

それを了承したグルッペンは優しい手つきで女の子を俺の背中に背負わせた

俺が背負ってから後ろを振り向くことは出来ないがコネシマや大先生がアザに気づいたのかほんの少し反応が変だった

振り絞るような声で大先生がグルッペンに向かって言葉を発した

ut｢なぁ、グルちゃん・・・もしかして・・・この子。｣

怯えるような声でもあるがどことなく確信があってそれだった時の恐ろしさを考慮した声色で言った

gr｢大先生が言いたいことはわかる。おそらく考えてることもあってると思うゾ。｣

多方ほとんどの人がわかっていたのだろう全員が目をそらす仕草を見せる

何となくわかっていた、でも本当にこれでいいのか？

知らないふりをしていいのか？

そういった考えが脳内を占領する