みんなが幸せならそれで【天祥院英智】 (ページ12)

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【素直になれれば】ページ12

あの日を境に私は、教室に行くようになった。

薫は、やっとこのむさくるしい空間に花が咲いた
とかいって喜ばれる
瀬名には、何この痛みまくってる髪！！とキレられ
千秋は…こんな暑苦しかったっけ？

いっけんみんなが受け入れてくれているように見える教室。

ただ、1人を除いて。

「A、天祥院はいいのかね」

『…ほっといて』

そう、英智とは、目も合わせなければ
口も聞かない日々が続いていた。

たしかに、こちらが避けていると
言うことも原因かもしれない。
が、それも無理はないだろう。

なんて言っても別れ方が酷かったから。

どうしたものかと、例の部屋で
お菓子を食べながら考えていると

「おやおや、お困りのようですね！
　あなたの日々樹渉がお手伝いして
　差し上げますよ♪」

ハトを出しながら、渉がやってきた

『ちょ！！こっちは食べてるんだから
　ハトしまって！？』

「あなたまでそんなこと言うんですか
　私悲しいです」

シクシクとわざとらしく泣きながら
髪の毛にハトをしまっていく渉

……なに、渉の髪ってドラ○もんの
4次○ポケットか何か？？

『あなたまでって何よ』

「よくぞ聞いてくれました！
　今までね、英智の相談に乗っていたんです」

『…そ、まあどうでもいいけど』

「まったく…英智もAもいつまで
　意地を張り合うつもりですかねぇ…」

唐突に出てきた、"英智"という言葉に
そっけなく返してしまう。

『意地も何もないよ』

「そうですか？
　私からしてみれば、2人は
　子供のような意地の張り合いですよ

　…どちらかが素直になれ…
「あー！ロン毛こんなところにいた！！
　僕に探させるなんて、何様のつもり！
　会長が呼んでるから早くきてよね！」
　おっと、もうそんな時間ですか
　姫君、ありがとうございます♪」

「ふん！僕が呼びにきてあげたんだから
　感謝してよね！

　…ってあんたは？見たことない顔」

『私は、佐野A』

「んん？佐野って…あぁー！
　よく英智さm…
「おおっと姫君！
　みんなが待っているのでしょう！
　さぁ、私と行きましょう！
　それでは、Aまた明日」
　ちょ、何するのロン毛！離してよ！」

嵐の如くさって行った渉と姫君？

『…素直にならなきゃいけないことくらい
　わかってるよ』

渉は、私の心を透かして見られているようで苦手だ。

いつも、核心をついてくるんだから。