かりそめの関係 ページ4
エントランス前で出会った松野さんと黒猫
部屋に戻り、明日のお弁当の下準備を始めた
ぼぉっとしながら、さっきの松野さんとのやりとりを思い出す
やっぱり、どこかで会ったことがあるような気がしてきた
あの瞳の色も、どこかで…
一虎
「おーい、A
聞いてる？」
A
「かっ、一虎！？」
真後ろから一虎に抱きしめられて、声をかけられるまで全く気が付かなかった
一虎
「どうした？
ぼーっとして」
A
「ちょっと、仕事のことで考え事してただけ…」
一虎
「そか
…にしても、一人分の弁当にしては、多すぎね？」
A
「…確かに…
…一虎、明日お弁当持っていく？
いつも外食でしょ？」
一虎
「…んー、持ってく」
シャワー浴びてくるわー、と言いながら私から離れる一虎
一虎のお弁当箱、どこにしまったかな…
食器棚を隈無く探す
A
「ぁ、あった…
あれ…、２つある…」
そういえば、一虎、いつもお昼は外食…？
A
「…一虎に、お弁当作って持たせたことって、あったっけ…？」
なんで、２つお弁当箱があるのか、わからない
しかも、大きさは男の人用の大きいサイズのお弁当箱で…
普段使うものなら、食器棚のこんな奥にしまっておくはずないのに…
一虎と入れ替わるように、私もシャワーに向かう
何気なく、自分の両手がうなじに回ったけど、その手は空を切った
A
「…あれ…？
私、今、なにしようと…」
付けてもいないネックレスを外す動きをしていた自分
一度自分の首元をみるけど、やっぱりネックレスはつけていない
今日の私、なんか変…
リビングに戻ると、一虎はソファで眠っていた
A
「…一虎、こんなとこで寝たら風邪引くし、体も休まらないでしょ」
彼は時々ここに来ては泊まっていくけど、決まってこのソファで寝ている
恋人らしい関係はない
さっき帰ってきた時のように、抱きしめてくれることはあっても、どちらかというとスキンシップのようで…
私たち、本当に付き合っているのかな…
大事にされすぎているだけなのか…
一虎の考えていることが、わからない…
眠っている一虎に布団をかけて、私は寝室に向かった
彼が呟いた言葉は、私の耳には届かなかった
一虎
「…同じ部屋で寝れるわけねぇじゃん…
お前のこと、もう傷つけたくねぇんだよ」
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (
レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年11月1日 13時
