許せないのはわかってる ページ6
過呼吸になったAを抱え、慌ててタクシーを拾って自宅まで帰ってきた
Aの家、どこかわかんねぇし…
雨に濡れて冷え切ってるし、服は濡れてるし、どうするか…
そのままにしておくこともできず、ガキの頃は一緒に風呂入ったしな…
幼稚園のころだけど…
そんな言い訳をしながら、できるだけ見ないように、俺の服に着替えさせた
濡れた服は浴室乾燥機にかければすぐ乾く
一緒のベッドに寝るわけにもいかず、俺はソファに横になった
どのくらい経ったのか、ふと、人の気配を感じた
Aが横に立っている
殺気だ
血のハロウィンのとき、マイキーから感じたものと似ている
死んだら今日の仕事どうするか
千冬、無断欠勤とか言って怒るだろうな
そんなことをぼんやり考えながら、Aの手を取る
とっさのことで、動けずにいるA
手に力を入れると、Aは力の限り俺の手から逃げようとする
A
「ぃゃ…
離して…
トラくん、離して…！！
こんなことしたくないっ！！」
その言葉に俺は我に返り、パッと手を離すとAは反動で後ろに倒れ込んだ
そのまましばらく動かず、ただ泣いていた
まだ許せない、というA
おまえ、本当に優しいな
まだ、ってことは、いつか許そうとしてくれてるんだ
いいよ、許さなくて
俺がそう言うと、Aはスーツを手に取って、着替えを済ますと何も言わずに出ていった
一虎
「許されるなんて、思ってねぇよ…
たださ…
俺、お前のこと、ガキの頃から…」
その先は、言えねぇ
言う資格、俺にはない
本当の兄貴のように場地を慕ってたんだ
その兄貴を俺は奪った
そんな俺に、お前が好きだ、俺が幸せにしてやりたい
なんて、言えるはずもない
昨夜、Aに今はちゃんとしてるって伝えたけど
本当はそんなこと伝えたいんじゃなかった
次に会えた時、本当に伝えたいと思っていた本音は言葉に出来なかった
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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (
レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか？ (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年9月24日 15時
