22 ページ22
やっぱり、そうだったんだ
Aは今日一日、場地さんとの思い出のつまった場所を巡っていたんだ
バラバラになった思い出のカケラを集めるように、1箇所ずつ
場地さんのゴキで、回っていたんだ
A
「昼間行ったあのファッションビルも、圭介くんが、中学生なんだからちょっとくらいオシャレしろって言って、連れてってもらったんだ…
キラッキラのアクセサリーとか、オシャレな服にあの時は圧倒されちゃっててね…
ガキだなーなんて言われちゃって…
悔しいから、いつか、オシャレな服着て見返してやりたくて…
その時は、服選びにとことん付き合ってもらわなきゃ、って思ってたんだ…」
黙って、Aの話を聞いていると、段々と感極まってきたのか、Aの目に涙が溜まっている
A
「武蔵神社で、たくさんの隊員を率いてる圭介くんを、見たかった…
昼間にも話したけど、東卍の創設時しか知らないから、そうゆう圭介くんを見たことないの…」
A
「あの廃車場があったところは…
圭介くんが亡くなってから、初めて行ったんだ…」
千冬
「…ぇ…
何回も言ったことあるんじゃなかったのか…？」
A
「こわくて…、行けなかった
あの場所に行ったら、私自身がおかしくなりそうで…
深い沼にはまってしまいそうで、死を認められなくて…
ずっと、行けなかった…」
意外だ
墓参りみたいに、時々行ってたのかと思った
でも、そういえば、あの高層マンションができてたの、Aは知らないみたいだったもんな…
近くにすら、寄り付けなかったんだろう…
A
「でも今日、千冬と一緒にいろんなところ回ってもらって…
やっと、現実を受け入れて、少し前に進める気がするの
1人じゃこわくて、ずっと踏み出せなかった…
私の記憶の圭介くんは中学生のままなのに、自分は大人になっていって…
それも受け入れられなくて、私の心の片隅にはまだ中学生のままの自分がいるの…
でも、やっと少し、前を向ける気がする…
だから、今日は本当に…ーー」
Aが最後まで言い終わる前に、気が付いたら俺は彼女を抱きしめていた
もう、1人でいろんなもん、抱え込むなよ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (
レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか？ (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神奈月 | 作成日時：2022年9月24日 15時
